前回の続きです。

 

アイスリボンのシングル王者のトーナメント。片方の山は雪妃真矢と山下りなが準決勝に上がってきました。もう一山は誰が勝ち上がってくるのでしょうか?

 

 

◆第3試合 ICEx∞王座決定トーナメント準々決勝 30分1本勝負
×ジュリア(9分6秒 羅紗鋏→片エビ固め)世羅りさ○

 

 

今回のトーナメント6試合で唯一奇襲でスタート。ある意味ジュリアの気迫がそうさせたのでしょうけど、むしろ気持ちが空回ってしまった印象すら感じました。結局その気迫が勢い良すぎて世羅を場外へ送り出してしまった事で世羅自身が自分のペースを取り戻す事が出来ましたからね。場外での椅子攻撃やジャイアントスイングはストリートファイトの経験値が高い世羅の得意とするところでしょう。戻ってからエルボー合戦を仕掛けますが、これも世羅が一枚上手です。早い段階で笑い鬼とさせてしまってはジュリアのキャリアでは勝ち目がなかったでしょう。それでもジュリアはビックブーツ、蜘蛛の巣、グロリアスバスターと使える技は出し尽くしていきますが、トドメのグロリアスドライバーは阻止され万策尽きてしまいました。ならばともう一度蜘蛛の巣を狙いに行ったところを羅紗鋏に投げ飛ばされて万事休す。世羅が順当に準決勝に駒を進めました。

 

 

これでP'sParty(ピースパ)世代は全滅という事になりました。ジュリアの場合もそうなのですが、キャリア同世代まではそこそこの結果を残したりタッグなら200%の力を出し切れるのですが、雪妃真矢から上のクラス相手だとかなり厚い壁がまだありそうです。体育会系未経験で×∞のタイトルを獲ったのは雪妃のみ。怪我の欠場期間を差し引いても2年以上は掛かっています。ジュリアの場合初勝利からまだ1年ですし、焦らなければそう遠くない時には結果を出せるでしょう。その焦りが出なければ良いのですが、どうしてもこういう結果になると焦ってしまいますよね。そこを耐えられた時精神的に強くなり上位陣からシングルで勝てるようになるのではないでしょうか。

 



◆第4試合 ICEx∞王座決定トーナメント準々決勝 30分1本勝負
○藤本つかさ(8分39秒 たいようちゃん☆ボム) 柊くるみ×

 

 

藤本が戦前くるみ対策に2つの策があると呟いていました。その1つが立ち上がりのカサドーラの連発だったと思います。勝ち上がればこの日もう1試合しなければならない。その為超大型選手のくるみ相手だと長時間は不利になるので秒殺を狙ったのだと思われます。ここからはお互い丁々発止の一歩も引かない攻防が繰り広げられます。なぜ一進一退ではないかと言うとお互い技の読み合いが続き狙った技が決まらず切り返される場面が目立ったからです。この仕掛け合いの展開からくるみがナットドライバーから人でなしドライバーと勝負に出ます。ここでジャーマンに行ったのが後々思えば勝敗の分かれ目になったようにも思えます。普段ならダイビングボディプレスからナッツクラッカーで仕留めるのを敢えてジャーマンに移行した事で藤本に肩を上げる余裕を与えてしまいましたね。ここで踏ん張った藤本が終盤ツカドーラの連発からインフィニティと繋いでたいようちゃん☆ボムでくるみを撃破して準決勝進出。世羅との一騎打ちに臨む事になりました。

 

 

ベルト戴冠実績のある選手同士ですし、お互いの戦法は判っている筈。それ故にどちらかが勝ちパターンを外すとこのような結果になる典型のような試合でしたね。これが単発の試合とかタイトルマッチや決勝戦ならくるみも違う戦術を取ったのでしょうけど、1日2試合になるという思いがちょっとミスったかなとは思いましたね。藤本自体は人でなしドライバーからジャーマンそのものがエゲツないと語ってましたけど、スタミナお化けと言われる藤本がこの手の攻撃では負けないでしょう。その藤本がもう一つ勝つ為の策として考えたのが1年前に勝った時の技であるたいようちゃん☆ボムだったと思います。即ちこの試合は如何に勝ちパターンをしっかり守れたかどうかで差が出たようにも思えた結果でした。

 

 

 

次回に続きます。