一昨日発生した大相撲舞鶴巡業での市長が倒れた際の対応問題。

 

様々な情報を整理すると、本場所でいう中入りの時に今回市制施行75周年事業として開催された事もあり市長が挨拶に立ったが、その2分頃に仰向けに倒れてしまった。→突然の事で周りが騒然となる中市長の行きつけの病院の女性看護師さん2人が駆けつけて救命好意を行った。→昔からの慣わしで土俵は神聖なもので女人禁制とされている事から一部の客が騒ぎ出す、→動揺した若手の行司が「女性は土俵から降りて下さい」と2,3度繰り返した後「男性は上って下さい」とアナウンスした。→市長が運ばれた後大量の塩が蒔かれた。

 

大筋はこんな流れなのでしょう。この対応がネットに動画付きでアップされたことで女性蔑視並びに人命よりも慣例重視かとの批判が起こり、理事長がその日のうちに謝罪。昨日も事業部長が会見を開く等の対応に追われる自体となっています。

 

こう時系列で今回のトラブルをまとめてみると、人命を無視した行為を行った大元は一部の観客ということにもなるのですが、動画等を見る限り協会関係者と思われる人が土俵上であたふたしている姿が見られ看護師さんが居ても立ってもいられない感じで救命処置をしているのです。

 

どうしても今の相撲協会の状況もあってアナウンスの不手際が際立ってマスコミも取り上げていますが、それならば何故協会側で救命処置が出来なかったのでしょうか?

 

当然とっさによくある「会場の中にお医者様か看護師さんはいらっしゃいませんか」とアナウンスするのが普通なのですが、どうやら市長はくも膜下出血を発症していたそうで、そういう一刻を争う状況では少しでも早い救命処置が大切になっていきます。

 

そこで気になったのが、相撲協会は行司・呼び出し・世話役といった裏方さんに消防庁の救命講習を受けさせていたのか?という疑問が頭をよぎりました。協会の幹部やワイドショーのコメンテーターの元力士等は何十年見ているけど初めてのケースと言っていましたが、大震災と同じで滅多に起きない事象だからこその備えは必要不可欠なのだと思います。

 

プロレス業界では団体でもしくは個人的に上級救命技能講習を受講している人が多いです。なぜならばアクシデントが起こる可能性があるから。特にレフェリーはすぐにリング上で対応出来るように受講していますね。この講習は8時間位ですから1日がかりなのですけど、相撲協会は初場所後に会合があったそうですけどそこまで拘束はしてないでしょう。もしそれを受講していれば今回の騒動は起きなかった筈です。

 

私はたまたま以前勤務していた職場の近くの銭湯のご主人が消防署から委託された指導員で町内会の掲示板に講習会の開催告知があるのを見て受講して普通技能認定の資格を所持しています。上級とは違い3時間程の講習時間ですが、ちゃんとAEDを扱って良いという『自動体外式除細動器業務従事者』というワンランク上の資格です。これさえあれば今回のような状況で心臓マッサージ等の救命行為を行う事が認められています。

 

 

少なくとも格闘技を行っている団体であればこの資格位は大半の人が持っていてほしいですね。例えば相撲界で言えば関取から上の人には私のようなクラスのを必須にするとか。

 

『土俵は神聖なもの』と女性が上がるのを嫌うのであるのなら(これに関しては将来的には議論は必要だと思いますけど今回は触れません)、相撲協会自らこういう不測の事態を想定した対策として積極的に救命技能資格を裏方さんには上級を力士にはデビュー時の教習所での講習でAED業務従事者を取得させるようにしてほしいと、今回のトラブルを見て感じました。