先日伺わせて頂いた東京都内にある児童養護施設。
現在、約60名の子供が暮らしています。

MtoM  by美元



もともとは戦争孤児のために建てられた施設ですが、
現在は孤児は全体の一割も居ません。
ほとんどは、親が健在であるのに一緒に暮らせない事情がある子ども達。

正直、私の中には先入観がありました。
狭い部屋にぎゅうぎゅうで。
着るものも古くて、貧しい生活をしている…。

地域によって、助成金の額や、決まりごともまちまちなようで、一概には言えないのですが、私が伺わせていただいた施設は、建物としてはとても充実していました。
東京都が問題意識を高く持って、対応していることが驚きでもありましたが、安心もしました。
よくよくお話を伺って、政府だけでは対処しきれない現状があることを知りました。


たくさんの事情を抱えている子どもたち。
児童相談所が親元から離すと判断するくらいです。
どれだけの辛い生活だったのでしょうか。
身体に。心に。目には見えない傷がまだ癒えていない子供がたくさん居ます。


眠れない。イライラしやすい。
キレやすい。落ち着きが無い。
協調性が無い。…様々な不定愁訴。



政府や自治体としてできること。
・できるだけ予算を多く配分すること
・専門家を配置すること


書面で見る限りでは得策に思えることも、現場で見ると違いました。




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この部屋には、専門家…精神科医が訪れ不定愁訴に医学的な呼び名を付けて、薬を処方する。


小学生が抗うつ剤を飲んでいました。


親元を離れている子ども達が、きちんと薬による治療が受けられる環境は素晴らしいと思います。


…ただ、私の憶測かも知れませんが、
子供たちの不定愁訴が薬だけで改善されるとは思いがたいのです。


私の家庭も母を亡くした後にたくさんの問題がありました。
突然だった母の死に、それぞれが心に傷を負いました。
小学生の頃、マンションの屋上で眠ったり。
深夜に電話ボックスに駆けこんで、電話帳を見て、
自分の行き場を朝まで探したことも何度となくありました。
あの頃の私は、児童相談所や児童養護施設に辿り着けませんでした。
情報が少なかったからです。
時代が違えば抗うつ剤を処方されていたかも知れません。
そんな私が今、家族を大切に思えるようになったきっかけは薬の力ではありませんでした。


もちろん千差万別の家庭の事情や個人の状態があります。
解決策は一つでは無いと思います。
ただ、子供たちが本当に必要としているのは「愛情」だと思わずには居られないのです。



政府にできること
施設にできること
家族にできること
学校にできること
友達にできること
私たちにできること
どれがいいとか悪いとかでは無く、一つでも多くの選択肢を作りたい。




児童養護施設にいる子供に限らず、
一人でも多くの子どもとその家族の笑顔と元気を祈っています☆



今日、暗闇の中に居る子供たちの心に
どうか光が差す未来が訪れますように…☆
どうか未来を諦めませんように…☆

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