※これは粟米の妄想メインで構成されております!フィクションです!あと昔ならこんなことありえない!っていうことは多々ありますがフィクションですのでお許しください笑
※あと事前設定として、月人は数が減りつつあること武将(?)として数人月人が屋敷にいるということ、月人は不老であるだけで死ねないわけではないことをここに書いておきます笑
それでは本編↓(・ω・)/
月はとてつもなく昔からそこにある。形も何も変わらずにただそこにある。
大きな屋敷の中庭。私は何をするでもなくただ縁側から空に輝く月を見ていた。
「カグヤ」
ふと、後ろから声がした。
「嘉禄(カロク)様…。もう休まれたのだと思っておりました。」
「ああ、そうなんだがカグヤが庭のほうに向かうのを見かけてな。
ほれ、茶菓子も持ってきたぞ。」
そういうと彼は子供のように笑った。それにつられて私もまた笑う。
「このような時間に食べては体に毒です。」
「まぁ、そういうな。練り菓子だ。お前も好きだろう?」
梅の形をした練り菓子とあたたかい昆布茶を置いた。その手はしわしわで、私の手とは全く違った。
「何を落ち込んでいる?」
彼の手をじっと見つめていた私に彼はそう言って自らの懐へ手繰り寄せた。その体に触れて、彼の体がかつての面影がないほどにやせ細っていた。
そして彼は私の長い髪をもてあそびながら言った。
「お前は若いな。いつまでたっても。
俺たちが結婚してからもう60年なのにな…」
「…結婚する前からこうなることは分かっていたではありませんか。」
涙をこらえて、私はそう答えた。
年を取らなくなる月人と人間が結婚すれば、ほぼ必ず月人だけが取り残される。それを分かったうえで、それでも共に生きたいと願い結婚した。覚悟していたつもりだった。それでも現実にそうなると、私は悲しくて仕方ないのだ。
もうすぐ、私は一人になる。
「なぁ、カグヤ。昔俺に言った話を覚えているか?」
「…何のですか?」
「ほれ、あれだ。なんだったか…魂がどうこうと…」
「あぁ輪廻の話ですか?生まれ変わった人間が
全く同じ顔、同じ性格で生まれ変わるという…。」
そう、それだ!と嬉しそうに彼は言った。
「俺が死んでもお前は死ぬな。絶対いつか戻ってくる。
そしてまたお前と恋におち、共に生きよう。…約束だ」
彼は子供のように無邪気にそういう。
「ただの噂話のようなものですよ。
それが真実かもわからないのに約束してしまって責任はとれるんですか?」
そんな皮肉を言って私は泣いた。嘉禄様は何も言わずわたしをより強く抱きしめてくれた。がりがりに痩せてしまったその腕に抱きしめてもらえるのはあと何度あるのだろう。感謝を伝えられる時間はあとどれくらいあるのだろう。伝えたい、でも伝えればそれが最後になってしまうような気がして怖くてたまらない。
私が素直になれないまま、彼は死んでしまった。
死に際にも彼は無邪気に笑って、待ってろとだけ言った。死に顔はとてもとてもきれいで、優しかった。
彼と約束したあの庭で私は祈った。
「嘉禄様、この思いは生まれ変わったあなたにお伝えします。
だから…だからどうか…約束をたがえないでくださいね。」