姉は太陽のような人だ。
いつも明るく、ケラケラ笑い、冬でも室内ではノースリーブで過ごす熱い人だ。
フランス人形になりたいと言って、金髪に近いウエービーな髪で、ベルばらのマリーアントワネットに憧れている。
そんな姉の旦那様は、二十代の時にだんだん身体が動かなくなるという難病を発症した。
本来なら病院での完全介護が必要だが、本人が嫌がったため、自宅で姉とヘルパーさんのお世話になっている。
私が出逢った頃はまだかろうじて車の運転が出来たが、今はもうベッドの上で起き上がるのがやっとの状態だ。
彼を、姉は仕事をしつつお世話している。
「大変だね」と言うと、「なんで?」という返事が返ってきた。
愛する人のお世話が出来ることは幸せで、苦労と思ったことは一度も無いと。
一度夜中に旦那様がベッドから落ちて、縦も横もある身体をベッドに戻すのに大変だったことがあった。
「電話してくれたら私の旦那を手伝いに行かせたのに!遠慮せず言ってー」
と言うと、姉はポロポロ泣きながら何度も何度も
「ありがとう」と言った。
30までは生きられないとお医者様から言われていたけど、あれから今はもう50代。
彼も「この世でまだまだやらないといけないことがあるからなかなかお迎えが来ないねー」と笑う。
今まで元気に動いていた身体が、徐々に動かなくなる恐怖は、計り知れないだろう。
発症するまで会社を3つ経営していた人だ。
でも、元気になる姿を今もイメージしていて、元気になったらあんなことやこんなことをするよ、とよく話してくれる。
私は心が弱るといつも二人に逢いに行く。 ケラケラ笑う二人に元気をもらう。
つい先日も、ちょっと疲れちゃった、と逢いに行った。
帰り際、彼が「またいつでもおいで。弱る前にね」
と笑って言ってくれた。
偶然見てしまった二人のメールのやりとりには、ハートマークがたくさんあった。
他人にはわからない思いが、たくさんあると思う。
それでも二人はいつも笑って、時々ケンカして、日々一生懸命生きている。
私もまだまだ頑張ろう。
