黒い者は、次の日に我が家にやってきた。
私はキッチンに居た。下の娘が朝食の後、着替えをする為に寝室に服を取りに行ったのだが、慌てて私の所へ来た。
昨日、見た黒い者がベッドの部屋の窓からお母さんを覗いていたと言う。私はキッチンに居るのにと思う。しかも、ベッドの部屋はまだカーテンを開けてもいなく窓ガラスは見えていない状態だったのに、何故か娘は黒い者の様子を話す。黒い者は何かに追われて逃げてる感じがして泣いていたと娘が言う。
その感じからして私はもしかしたら助けてほしい人物なのではないか?と思った。
娘が黒い者の絵を描いてくれた。
形は人間の骸骨のようで全身が真っ黒である。その絵からして人間だった人だと私は思った。娘が描く悪魔の絵とは違っていたからだ。そして、私の姉にその黒い者とは何か?と聞いてみる。
姉が言うには、おばさんの家の近くに居た者で焼け焦げた人間だと。で、私なら助けてくれるんじゃないかと思い、家までついてきたと。でも、そもそも私には浮かばれない霊をどうにかする力なんてないよと姉に言うと姉は、そういう者が近づいてきたら中途半端な優しさは見せず、私に近づいてきても何にも出来ないよと強く思い、自分自身のガードを固めなさいと言われる。私には霊は一切見えないのだが下の娘が見える体質なので、娘が何か言ってきた時は気を付けようと思う。