わたしと小鳥と鈴とメジロ鈴


「わたしが両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥はわたしのように、 地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴はわたしのように、 たくさんなうたは知らないよ。
鈴と、小鳥と、それからわたし、 みんなちがって、みんないい。」
 

金子みすず(大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した日本の童謡詩人)
1903年4月11日-1930年3月10日。山口の生まれ。10代半ばから詩を作り、同県下関市に移り住んだ20歳ごろから雑誌に詩を投稿するようになる。26歳で自ら命を絶った。代表作は「私と小鳥と鈴と」「大漁」「こだまでしょうか」など。
自然とともに生き、小さな命を慈しむ思い、命なきものへの優しいまなざしが、金子みすゞの詩集の原点と言われる。






 

こだまでしょうか

「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。

「ばか」っていうと 「ばか」っていう。

「もう遊ばない」っていうと 「遊ばない」っていう。

そうして、あとで さみしくなって、
「ごめんね」っていうと 「ごめんね」っていう。 

こだまでしょうか、 いいえ、誰でも。



ミント照れミント