2016年*111分*配給
監督*小泉徳宏 脚本*小泉徳宏
出演*広瀬すず 野村周平 真剣佑 上白石萌音矢本悠馬 森永悠希
あらすじ*
綾瀬千早と真島太一は、綿谷新に競技かるたを教わり三人で遊んでいたが、新が小学校卒業を機に転校し、離れ離れになってしまう。競技かるたに対する情熱を教わり、夢を見つけた千早は、また新に会いたい。強くなったね!と褒められたいという気持ちで、太一とも離れ、一人になっても競技かるたを続けていた。
高校生になった千早は、新に会いたい一心で、競技かるた部を新設することを決断し、創設に必要なメンバーを探す。再び同じ高校になった太一、呉服屋の娘 奏、子供の頃大会で会った肉まんくん、太一に次いで成績優秀な机くんたちと新なチームを組み、高校生活をかけてかるたの全国大会を目指し戦う。
太一は千早の気持ちを知りながら、自分の気持ちを伝えるために、もっと上を目指さなければと誓う。千早、新、太一、水沢かるた部の青春全部をかけて挑んだ夏。
感想*
"かるたで日本一になったら、それは世界一。"
幼い頃に見つけた夢と、その世界を教えてくれた新への憧れ。そしてずっと見守ってくれている太一の存在。3人で始めた競技かるたを卒業してバラバラになっても、またいつか3人でやりたい!新に会いたい!その想いだけで水沢高校競技かるた部を創設した千早。
大会に勝って新に会いたいと願う、かるたと新のことしか頭にない千早のそばで、その気持ちに苦しみながら、強くなって気持ちを伝えるまではとかるたに向かう太一。違う世界を見たいと思いながら結局かるたしかないと気づく肉まんくん。秀才と言われながらずっと一人だった机くん。初めてできた仲間への戸惑いとかるたで戦力になれない葛藤のなか、吐露した気持ちは水沢かるた部を強くした。そして、ほわっとして芯のある箱入り娘の奏ちゃん。周りの気持ちに敏感で、チグハグな水沢かるた部員の気持ちをまるごと包み込んでくれる。彼女がいるから、持っているんじゃないかとすら思う影の立役者だ。試合をボイコットする机くんを励ましそっと置いた手のひらの優しさは見ているこっちにまで届く。
そして何より、ラストシーン、太一に駆け寄り涙を一粒空に光らせる千早。今映画を見ていなくとも思い出せるほどに焼きついて離れないカット。広瀬すずさんはただの可愛い女優さんじゃないぞ!と。むしろ、芯の強さの尋常じゃないまさに俳優。あなたがやるなら、どんな作品も見ていきたい。
原作ありきの映画はキャストに違和感を感じることが多い。でも本作は、見た目が似てるとかいうのではなく、実写化されたらこうなんだろうなと納得できるように、千早が、太一がそこに生きているように体現できる俳優陣が揃っているからスッと物語に入り込める。もちろん、ビジュアル的に漫画から飛び出してきたと思うリアルヒョロくんまで揃えてしまう制作側のキャスティング力も否めない。だけど、何より個々の俳優さんの覚悟と努力があっての説得力なのだと改めて実感する。
試合のシーンだってしかり。並々ならぬ努力あっての真剣勝負だからこそ、テレビで見た名人クイーン戦よりもリアリティがある。
映画でもドラマでも、脚本も演出も音楽も大事。だけど、やっぱりキャスティングだと確信した。
続編がクランクインしたらしい。どんな布陣で、どんな船を漕いでどこに辿り着くのか、今からとてもウキウキしている。
くれぐれも、水沢かるた部は無論、上の句下の句の俳優さん陣、全員変更なんてしないことを望む!