やっと着いた....花小金井...今日から始まる新しい人生....

.......あ、感傷に浸ってる場合じゃない、エリアマネージャーと合流しないと、何処にいるんだろう

「あ!居た居た!こっちこっち!!」

かなり太った女性がこちらを見て手を振って声を掛けてくる

キャリーケースを引っ張ってエリアマネージャー...もとい蓑島さんに声を掛けた

「初めまして、高杉です、遅くなっちゃってすいませんでした」

「いいよいいよそんな堅苦しくなくて私もやることあったし、あ、それでさっそくなんだけどお腹すいてない?奢るしご飯食べに行かない?」

「あぁ大丈夫ですよ、そんなお腹減ってないですし」

「遠慮しなくていいよ~近くのファミレスでいい?あそこのステーキ美味しいよ~?」

...この人話聞いてたのか?自分が食べたいだけだろ...とか思いつつ折角の好意を無駄にしたら失礼になると思いご馳走になることにした。

 

 

「――でね、これから住む寮なんだけど、片付いてないから一緒に掃除しない?」

......え?こっちにくるって分かって1か月以上経ってるのに掃除が終わってない?部屋の?.......その為のご飯か.....大丈夫かこの人........

「あ、そうなんですね、まぁ仕方ないですね、掃除しましょうか」

「じゃあご飯終わったらさっそく掃除しましょうか!大丈夫です!布団ぐらいは持ってきたので(笑)」

......なにが(笑)じゃ、逆に布団しか持ってきてないんかい!

 

寮はすぐ目の前が畑で並木道が近くにある静かな所でわりと満足はしていた、この時までは―――

 

「―――ふぅこれぐらい片づけたら大丈夫だね!お疲れ様!いやー高杉君がいて助かったよ!!あ、鍵、渡しとくね」

「いえ、ありがとうございます」

「あ!あとねここ同居人が1人いるからよろしく!喜瀬さんって言う人らしいけど、私会いたくないから早く帰るね!じゃあまた何かあったら連絡してね!じゃあ20日の朝8時半に出勤よろしくね!」

 

...........は?

 

いや、聞いてない、同居人いるなんて聞いてない適当すぎるだろあの人.....もうやだ、なんなんマジ。

蓑島さんが持ってきてくれた綺麗かどうかも分からない布団を敷いて寝ころぼうか迷ったけど今日は本当に疲れ果てた、もう休もう。

 

 

 

その日は押入れの匂いがした布団に包まれていつの間にか寝てしまったいた