最近寛大が夢中のゴーオンジャー。
goon
戦隊ヒーローへの憧れ、ボクもそうだったが男子は必ず通る道だ。

憧れるのはけっこう、マネをして戦うのもけっこうなのだが、靴ベラを武器に見立ててブンブン振り回すのが危険極まりない。


被害にあったのは遼真だ。

うかつに近づいて、何度おでこや頭をコーンといかれたことか。もちろん大泣きだ。アザやタンコブをこしらえたこともあった。靴ベラは堅い。

幾度となく寛大に「二度と振り回すな。つぎ遼真を叩いたら取り上げるぞ。」と注意勧告しても、ヒーローへの憧れは頑強だ。テレビの中でゴーオンジャーがピンチに陥るとダッシュで靴ベラを取りに行き、一緒に戦い始める。

そして遼真は叩かれる。


遼真の頭の形が変わってしまう前に手を打たなければならないと判断し、仕方がなくゴーオンジャーの光線銃を買ってやった。

親の注意を無視して弟に危害を加えた男にオモチャを買ってやるのもどうかと思ったが、それほど靴ベラへの執着は常軌を逸していた。
gun

シメシメという表情が気に入らないが、銃はずいぶん気に入っている様子。それっきり靴ベラには見向きもしなくなった。しかしバキュンバキュンという電子音が、今日は朝からずーっと我が家に鳴り響いている。

実にうるさい。しかし遼真がボコられるよりはマシと思おう。


一方、被害にあった遼真。このままではあまりにもかわいそうなので、同じものを買ってやった。違うものにすると結局寛大に奪われてしまうからだ。

かくして遼真は、いわれなく兄に頭をはたかれた末、たいして欲しくもない光線銃を手に入れたのだった。
欲しくもない