シュールレアリズムと言われる画家の中では、「サルバドール・ダリ」が好きです。

あの人の絵は本当におもしろい。

最も有名なところでは、グニャリと曲がった時計が枯れ木にぶら下がっているこの絵。

記憶の固執

「記憶の固執」.

あの時計はインポテンツへの恐れを象徴しているなんていう解釈もあるようですが、そんなことはどうでもいい。

時計という硬質のものにねっとりとした柔らかさを持たせ時点で、ダリの勝ちです。勝ちってものなんですが。


次にポピュラーなのはこれでしょうか。たてがみに火がついたキリンが悠然と歩く、

燃える麒麟

「燃えるキリン」.

人物に引き出しがついているのは、「中が見てみたい」というダリの単純な欲求からだそうです。究極のエロともとれます。


でもボクが1番好きなのは、湖面に映る自分に恋心を募らせ過ぎて石化した巨大なナルシスの絵、

ナルシスの変貌

「ナルシスの変貌」です.
この絵のポスターを、高校のとき初めてもらったバイト代を全部つぎ込んで買いました。タタミ半畳くらいある大きなポスター。確か額付きで5万円くらいだったと思います。

シュールはいい。シュールはおもしろい。
懲り固まった既成の観念からいかに脱却できるか、いかに日常をブチ壊す超現実的で意外性のある発想を持てるか。

シュールは「おもしろさ」を考えるうえで最も重要なファクターのひとつと言えるでしょう。
その意味で、ダリは天才です。


ダリ

絵を書く技量は凡百の画家と大差ないのかもしれませんが、その発想はまさに天才、いや狂人。

上野の展覧会にも絶対に行こうと思います。自分の凝り固まった固定観念を壊すために。