ボクが住んでいる上尾市の宮ノ下地区では最近、「集会所建て直し計画」の話が上がっていて、波紋を呼んでいます。建て直し推進派の方々は回覧板などを通じて地域住民に理解と協力を得ようとしているのですが…。

確かに現存の集会所はとても古い。ボクがモノ心つく前から建っているので、築30年はゆうに越えていると思います。建物の寿命から言っても建て直しの案が出るのはうなずける話。さらに、土地を貸してくれていた地主さんが、「そろそろ返してくれない?」と仰っているようで、今回の建て直しには「引っ越し」も含まれるわけです。

そこで当然出てくるのがお金の問題。昨今上尾は都心へのベッドタウンとして開発がスゴいスピードで進んでおり、土地価格も上昇の一途。「建て直し&引っ越し」ですから、今回の移転にもかなりのゼニが必要になるようです。積み立てた区費・市からの借り入れ金・地元有力者からの寄付、全部合わせてもまだ足りない。そこで推進派の方々は「一世帯あたり3万円の集金」を立案しました。

回覧板によって突然通達されたこの話。出し抜けに「3万円集めまーす」と言われた地域住民が面食らうのも当然。拒否・反対の意見が多数だったようで、計画は一時座礁した模様です。

というのも、宮ノ下地区は最近新しい家が多い。つまりよそから移り住んできた人達が多いわけです。だから地元意識とか、地域の繋がりみたいな意識が低い。低くて当然なんだけど、推進派の方々はその点の理解が甘かったのではないかと、ボクは見ています。
古くから宮ノ下に住んでる方々が中心の推進派。地元意識も強ければ愛着もあるでしょう。しかし、ボクも含めた若い世代には地域の連携みたいなものを嫌う人が少なくないのも現実です。

「一度も使ったことのないような集会所の建設に何でウチが3万も払わにゃならんの?そもそもそんなもんなくたってええんちゃうん?」
若い世代の意見はおおかたこんなところでしょうか。さみしい気もしますが、責めることはできません。「地域で連携をとり、行事や座談を通して仲良くやっていきましょう」というのは、とても良いことです。でもそれを拒否したからといって、悪いわけでは決してない。良いことをしない人が悪い人なら、この世のほとんどは悪人になってしまいます。
推進派の方々の気持ちや意見は理解できます。が、やはりそこに押し付けや強要があってはならないと思うのです。拒否する人が多数派なら、それはもう「時代」ということでしょう。仕方のないことです。

ボクはこの宮ノ下で育ったので、愛着はあります。子供会の集まりで、集会所で映画を観たり御輿をかついだりしたものです。でももうあの頃とは違います。住んでいる人が違う。空気も景色も違う。人口も社会も教育も遊びも違う。

つまり、時代が違うのです。

そら 



回覧板にあったアンケートのQ1.にはまず、「宮ノ下には集会所が必要だと思いますか?」の問いかけがあるべきだったのではないでしょうか?「必要ある」の意見が過半数を越えてはじめて、金の話を含めた立案ができるのだと思います。

でもまぁやっぱり、3万円は高すぎるなぁ。