自分にできること。みんなでできること。
地震や津波で被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。
世界中の人々がが困難な状況での皆様の勇気や強さに心からの敬意を表し、また亡くなられた方々のことを考え心を痛めております。
がんばってください。
少しお仕事の話に戻ります。
3月12日にルーマニアで日本語弁論大会があり、行ってきました。
うちの学校からも学生が一人出場しました。(見事「非日本語教育機関部門」で優勝しました)
「日本語学校」やのに「非日本語教育機関」て・・・
色々思ったこともありましたが、今日はそんな内容ではなく、日本語教師の方々も見てくださっているようなので、スピーチ指導の方法をお話ししたいと思います。
まだまだ、ぺーぺーぺーぺーの小生ですが、ロシアでは弁論大会は大きな大きな意味を持っていたこと(教師が手を出しすぎる傾向がありブチギレたこともあります)もあり、「スピーチ指導」については色々考えました。
そこで、恥ずかしながら自分がしているスピーチ指導を少しご紹介します。何かご意見等いただけたら大変嬉しです。
①まずは内容
スピーチはとにもかくにも内容です。
「何が言いたいのか」
「なぜそれを自分が弁論大会で言いたいのか」
「それを聞いているお客さんにどんな感動が与えられるか」
「伝わるか。お客さんの立場ならどう感じるか」
などに絞ります。何が言いたいのか分からないものは全部×します。もう一度ゼロからやり直させます。なぜかロシア、ルーマニア双方とも難しい言葉を使えば使うほどいいスピーチという傾向があるのかさっぱりわからないことが多々あります。
分かりにくいものも僕は全部×します。「わかりやすく、聞く人のことを考えてもう一回」です。このことについては普段の授業から行っておく必要があると思います。
ベストは現地教師と学生の3人で学生が書き始める前にじっくり話し合うことです。
「言いたいこと」が浅い場合ももう一回。全部×ではないですがじっくり考えさせます。
今回指導した学生も10回弱訂正させました。(途中で「私には無理!!!出ない!!!」と言われた時は焦りました。)
ここで気をつけることは教師は手を入れないことです。スピーチは絶対に学生のものです。
教師はアドバイス、質問をぶつけて引き出してあげる必要があります。
また、レベルが上がってきたら導入部にも気を使わせる必要があります。
②次に構成
「どうしたら伝わるか。」を深く考えさせます。流れ。意味のまとまりを認識させ、つながりがややおかしいところについてもう一度考えます。内容の段階であまりにもおかしいものは×してるので「ええ!!!???」みたいのはないです。この時点でまだ絶対に覚えてこないようにすることが大切です。この時点で覚えてしまうと、変なアクセントのまま覚えてしまう可能性があります。完全に覚えてしまったら直りません。
③アクセント・イントネーション・ポーズ
ここのアクセント指導の前に、「ポーズの指導」「イントネーションの指導」をすることもかなり大切です。これ一つで、わかりやすさはぐっと変わります。そのあとアクセント指導です。
これについては色々な方法があると思うのですが、まずは「キーワード」。
このアクセントが間違ってたら、なんだかスピーチが自分のものになってない気がします。高低アクセントを図に書き、今どのように間違えていてどの音の高低を変えなければならないのかを説明します。
音感のある学生にとっては難しくないのですが、日本のような音楽の授業はないロシアなどですと、音感が取れない学生も少なくないです。これも普段の授業から、少しでいいので取り入れる必要があると思います。
そして個々の単語を直してから、録音します。あとは教師の録音したものを学生に渡し、家でしっかり聞いて練習するように伝えます。
そして、最後に気持ちを入れて読む指導をします。テープを渡す前にするのがベストです。
どこをどんな気持ちで読むのか、これは言語に関係なく重要だと思います。
今回指導した学生は、すごく上手でしたが初めは気持ちを入れると全部「感傷的」なイメージがあったため、意見の重要部分を強く読んだりする練習をしました。
④発表の練習
話すときの姿勢、手の位置、目線などは以前からしていたことですが、ロシアで勉強会の際にロシア人の先生がスピーチ指導について発表された内容を聞いて、少しはっとした覚えがあります。
クラスの前で発表させ、聞いている学生に「こちらを全然見てくれない」と感じたら手を挙げてもらうという方法です。なかなかユニークだなあと思いました。
これは今回指導するにあたって7クラスぐらいの前で練習させました。
初めからあんまりきょろきょろしてもだめなので、導入部は全体を見るようにし、初めの1分ぐらいは前方を見るように言いました。その後、学生たちに手伝ってもらい完成させました。ここは学生からのアドバイスは日本語でなくてもいいと思います。
⑤質疑応答
最後は質疑応答練習です。あらゆる質問をぶつけます。これはもしかしたら私だけが思ってることかもしれませんが、特に中級ぐらいの学生で、きちんと会話のキャッチボールができていない学生が多い気がします。
何となく意味も理解してるし、答えもあってるけどなんかずれてる。。。という感じを感じたことが多々あります。例えば教科書の問題をさせて「指示語」が何を指しているかさせると、答えの箇所はあってるけど、その一文を丸々抜いてきてしまう学生がいますよね。
そういう感じです。
①~⑤をきちんとすると少なくとも1か月かかります。
今回の学生のよかった点は、準備が早かったこと、指導した部分についてはすぐに訂正してきたことです。
私は基本的にこの方法を省略したりすることはないので、大会の2週間前に出してきて、まだまだ内容が浅いままでなければならなくなる学生もいますが、ここで教師が書き換えてはだめだと思います。何度も言いますが、スピーチは学生のものです。
「質疑応答ができなかった」とか「アクセントがいまいちだった」という点ばかりに目がいきがちですが、「内容の浅さ」が原因であることがほとんどです。それはつまり準備開始が遅いということです。多少厳しい言い方ですが、学生には反省点としてそれを分からせなければなりません。
「内容をしっかり深めることが出来た学生は、準備開始が早く、質疑応答まできちんと練習できている」ということです。
スピーチは、きちんと準備すればだれでも勝てるというのが持論です。スピーチがうまい=日本語がうまいわけではないので。
ちょっと後半ばてました ^-^
長文でしかも乱文。。。ひどいですね。
まあでも、毎回スピーチの後には自分の反省としても書いてたんで書きたかったんです。
「スピーチとスピーチ大会は学生のため」ということを教師は忘れてはいけません。
小学生の時、作文が割りと得意だったんですが、あるとき本に載るかもしれないということで担任教師にほとんど書き換えられてしまい、悲しい思いをしたことを思い出します。
僕が作文を書いていた目的は「友達を笑かしたい」の一点でした。
学生が作文を書く目的についても初めの段階できちんと話し合えるといいと思います。
「先生のおかげです」
教師冥利に尽きますが、その手柄を教師のものにしてはいけません。
本当に学生が自分で頑張ったからだと思います。その努力には頭が下がります。
教師は一緒に喜べばいいだけです。^-^
おめでとう☆