前回は心電図異常の基準として
ST変化を取り上げましたが、今回
は運動負荷中に見られる不整脈
についてです。
一般的に、運動による心筋虚血は
異所性興奮を起こしやすく不整脈
を引き起こすとされています。
具体的には心室頻拍、R on T現象、
連続する2段脈、3段脈、30%以上の
頻度の心室性期外収縮(PVC)が
ガイドラインでも運動負荷中止徴候
として挙げられていますし、運動
誘発性に一過性の心房粗細動、
Ⅱ度以上の房室ブロック、脚ブロ
ックが出現することがありますが、
これらも重篤な基礎疾患を反映して
いる場合があるので、運動負荷中止
基準に含まれています。
一方で運動による迷走神経抑制と
交感神経刺激により安静時に存在
する不整脈を抑制することもあります。
具体例としては、安静時のPVCの
多くは運動により焼失し、運動後に
再出現するパターンをとり、良性の
反応と言われます。
ICUでのECMO抜去の助手