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組織における理念とは、物事についてのこうあるべきだという根本の考えです。ビジネスの世界では、様々な局面で判断・行動をすることが求められますが、その「判断の軸」として決してぶらしてはならない価値観、これが経営理念です。近年、ビジネス環境の不確実性が高まる中で、組織力の強化をテーマとして掲げる組織は少なくありません。そんな中、改めて理念体系を見直す、あるいはよりわかりやすい言葉に置き換え、全従業員で共有する、などの活動が全国で展開されています。

しかし、本当に理念を浸透することは必要なのでしょうか?実は統計的にこの疑問に対する回答を導きだそうとした研究は様々なものがあります。


欧米企業では理念浸透は不要?



経営学の歴史は比較的浅いものですが、その多くの研究は米国が先行しています。理念浸透についての研究も米国で1980年代に拡がりはじめました。理念浸透についての研究は、主に理念浸透(組織文化の強度)と業績との関係を明らかにしようというのが目的です。
この分野に本格的に注目が集まったのは、1970年代までに日本企業が大きく隆盛を誇ったことが要因です。日本企業の隆盛は経営理念に裏付けられた従業員の意思決定プロセスにあると考えられていたのです。こうした組織文化と企業業績の関係について統計的に実証しようとしたのが、米国で組織診断などのコンサルティングを行うデニソン・コンサルティングを創始したダニエル・デニソンの1984年のレポートです。
※「Bringing Corporate Culture to The Bottom Line」」

このレポートでダニエル・デニソンは「長期的に見ると多様性の欠如は、環境変化への適応能力の限界をもたらす」という結論を導き出しました。つまり、強い組織文化が必ずしも高業績をもたらすわけではないことを示しました。

またこの他にも、
・組織文化の強さと財務業績との関係を調査したハーバード・ビジネス・スクールのJ・P・コッターとJ・L. ヘスケットのレポート(1992年)
・環境変化における業績の安定性について調査委したスタンフォード大学のJ. B.ソレンセンのレポート(2002年)
・英国企業を対象として調査された英国ブラッドフォード大学サンデルソン教授などによる同種のレポート(1991年)
などにおいて、

組織文化と業績との関係は薄いという結果を示しています。




日本企業を対象とした研究では、その必要性が認められている。




ここまで欧米企業における実証研究では理念浸透や組織文化の強度が業績に与える影響について否定的な見解が示されていることを紹介してきましたが、日本企業においてはどうなのでしょうか。実は、日本における実証研究では経営理念が組織に浸透していればしているほど企業行動や企業業績に影響することを示すレポートが複数存在します。

その代表例が早稲田大学の久保克行・広田真一・宮島英昭教授らによる「日本企業のコントロールメカニズム:経営理念の役割」です。(2005)本調査では、同産業・同規模・経営理念を公表していない企業とを比較し、総資産営業利益率と1人あたり賃金を業績指標として分析したところ、経営理念がある企業の方が共に統計的に有意に高いとの結果が得られています。

つまり、欧米企業では経営理念や組織文化の強度が企業業績に差を生むという結果は得られませんでしたが、日本企業では何らかの関係があることが示唆されています。経営理念の存在と浸透が日本企業の業績向上に何らかの影響をもたらしていることが示唆されているのです。

また、比較的近年の研究としては福岡大学の飛田准教授(当時は立命館)の「日本企業の組織文化・経営理念と財務業績に関する実証分析」では、理念そのものの内容による業績への影響を研究された興味深い調査結果が示されています。本レポートでは、株主の利益にのみ言及する理念を掲げている企業は、そのほかの企業群と比べて平均的に業績が低下しているといる結果を示しています。


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