教員採用試験を無事合格し、翌年度から新採用としてM市の学校で勤務することが決まった
このことを、オペに携わった執刀医に話をすると、
「M市に甲状腺の専門医がいる」
と教えてもらった
今は専門病院も多くなったが、当時(平成5年あたり)は、甲状腺の専門病院など
地方にはなく、関東圏の病院に行く話をよく聞いていた
知人や家族に聞くと、
「結構有名」「今、家族も診てもらっている」「混んでるよ」などなど
知っている人は多かった
紹介状を書いてもらい、新年度の4月、さっそく訪れた
マンションの2階と3階を使用した病院にある
初診で対応してくれたドクターは「副院長」
しかし、病院の冠となっている苗字である
初見の年齢的に60歳くらいの男性ドクターであった
ドクター曰く、
「あなたの甲状腺は”バセドウ病”だね」
「男性の罹患率は5%くらい」
「悪性腫瘍を持つ患者はそのうち、2%くらい」
「20代で発症するとは、よっぽどの例がない」
と、不安な言葉が続々出てきた
とりあえず、今後の治療方針をきめるため、検査を中心に、診察を受けた
検査室はフロアの奥にあり、かなりの時間を要した
「エコー検査」「細胞診」「CT」「採血」などなど
一通りの検査を終え、診察を受ける
「検査結果は1か月後に出るから、また来てください」と。
若干の不安を覚えつつ、「専門医であるから、何かしらの治療を施してくれると思う」と
前向きな気持ちも持ちつつ、その日は病院を後にした