アメリカン・スナイパー | みっちぇのブログ

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アメリカン・スナイパー、観てきました。


これは実話です。


なので、結末は決まっています。

実は、観に行こうかなって思った時に、タプ関連でツイートを見てたんですけど、内容もよく知らなかったのにいきなりその結末だけ知ってしまいました。


だから、その結末のツイートから先に載せますので、見たくない方はここでやめてください。

知っていたからといって、映画の感想が変わるようなものでもないかと思われますが。


ま、その後もストーリーをがっつり触れつつ、私が感想を述べちゃうので、やっぱり真っ白な気持ちで臨みたい方はご注意下さい。









そのポスターの宣伝文句の、
「1600人射殺した、優しい父親」
というアイロニックな部分をどういう風に描いているのか、興味があってみてきました。




タプが他のメンバーより早く来て、夜中まで一緒に飲んでた芸術家の人のツイートです。
まあ、普通にニュースを見てる人なら、きっと目にしてるんでしょうねあせる
ほら、私は何にも知らないから

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ね、アメリカンスナイパーの主人公の人は、射殺されて亡くなったんですって。



                     



元々カウボーイで屈強な男のクリス・カイルは、自国を守るために海軍特殊部隊ネイビーシールズに入って、イラクに派遣されるんです。

そこで狙撃兵として大活躍して、4回派兵されて160人を射殺したと言われています。
それでレジェンドってよばれるんですけど、敵からは悪魔と呼ばれ賞金をかけられる存在になります。

アメリカ人の命を救うためにやっていることで、神様にも狙撃の理由を全部説明できるっていう、揺るぎない信念を持ってるはずなのに、やっぱりPTSDで苦しむんです。

奥さんにしたら、「君たちを守るために行ってるんだよ」なんて何ヶ月も家を空けてそんなこと言われても、それより家庭を守ってよって思いますよね。
クリスがイラクに行ってる間、1人で子育てしていて大変だし、帰国したら家庭を第一に考えてほしいと思うでしょう、当然。

クリスは愛国心と家庭のこと、命をかけて国のために戦っている仲間や死んだ親友や仲間のこととアメリカ国内の関心の低さとのギャップ、これまで殺してきた敵には女性や子供等もいて、少しずつ少しずつ心に整理できないことが積み重なって知らないうちに心が社会に適応できなくなっているんです。
アメリカに戻ってきているのに、家に直接帰れなくて(心の準備が出来なくて)、1人で飲んでたりするんですけど、そういう彼のどこにも向けられない心の闇に胸が痛くなりました。




それでも前向きな彼は、負傷退役軍人の支援をしたりしながら、良い家庭人となろうと努力し、社会に適応し立ち直りつつあったんです。

ですがある日支援しているPTSDに苦しむ退役軍人に殺されてしまいました。






それで、最初のツイートに戻るわけですが、その犯人の判決がでたという、本当に最近の出来事です。

そのニュース



そして、途中ザルカウィの写真が出てきたんで、イスラム国?ってびっくりしたんですけど、本当に当時アルカイダの超過激派であるザルカウィの集団のナンバー2を追っていたそうです。

そういう割とタイムリーな話ではあります。



これはクリントイーストウッドの映画なんです。
私が見たクリントの映画といえば「ミリオンダラーベイビー」くらいしかないんですけど、これは希望が見えないとてつもなく辛い暗い話でした。

あの映画よりは明るさのある希望のある話でしたけど。(死んでは希望もあったもんじゃありませんが。)





ブラッドリークーパーが、かなりボリュームアップした肉体になってましたが、実際のクリスとも違和感なく、この映画をリアルにしていると思います。


クリスの感情は大げさに見せることをせず、ある種淡々と見せることで、クリスが特別じゃなくてアメリカには戦争のPTSDに苦しむ人達がいるんだろうなと感じました。
実際派兵された5人に1人はPTSDになっているそうです。

表面に出るというより、内面が蝕まれるということでしょうね。




狙撃兵としてアメリカ兵を救う任務を遂行したということですから、160人を狙撃したというのはそれ以上のアメリカ兵を救っているということです。
だからこそのレジェンドなんですが、それでも「160人を殺した人」という言われ方をします。
やっぱり人を殺すことに違和感やショックがあるわけです。


物事にはいろんな面があります。
それぞれの立場があります。
クリント監督は、この映画でもどう考えるかは観客に任せており、考えを押し付けてくることはありません。
これが正解ということは何もないんです。


戦争→反対、ダメって言っていればいいような平和な時期の日本に生まれた私達ですが、これからも平和かどうかなんてわかりません。
なんでダメなのか、自分の周辺に迫った場合でも言えるのか、もう少し考える機会になるような映画だったと思います。




最後のエンドロールが、なんの音楽も無しの無音でした。
多分、クリントがこの映画を撮ると決まった後にクリスが亡くなったらしいのでその追悼かもしれません。
そして、これもクリント監督が私達に与えた、自分で考える時間なのだと思いました。





観てよかった映画でした。


(私が説明くさいですね…汗)