Mくんから聞いたお話。
四国の讃岐うどん屋さん、るみばあちゃん。
昔、NHKのドキュメントで特集されてたやつ。
旦那さんとふたりでうどん屋さんを切盛り。
1杯70円のうどんを早朝から作ってはお店売り、お昼は各家庭に売り歩く。
旦那さんが体調を崩し亡くなってからも、るみばあちゃんはひとりでうどん屋を続ける。
打ち、茹で、単純な作業だけに職人技というのは研ぎ澄まされる。
そんなおり、京都からひとりの旅行客が来店。
彼は大学を卒業後、就職をするが、すぐに辞めフラフラと旅をしていた。
るみばあちゃんのうどんを食べると、全身をつんざく衝撃が走った。
無理やり頼み込み弟子にしてもらう。
打ち、茹で、打ち、茹で、うどんをつくることに集中する。
その日の天候によっても水分の調整が違うらしい。
彼の打ち終えたうどんを茹でる前から、るみばあちゃんは見るだけで、水分が少ない事がわかる。
そんなこんなの毎日で、今は人づてによってちょっとした人気に。
先日、弟子の父が亡くなり、予定より早く実家に引き上げることになった。
京都の実家でうどん屋を開くと言う。
るみばあちゃんはいう。
旦那さんがたてたうどん屋、私が生きてる限りやめるわけにはいかない。
弟子の彼にはるみばあちゃんのうどんではなく自分のうどんを作ってもらいたい。
彼は大人と子供の境をうろうろしてるときだったから、いっしょうけんめいになれるもんがみつかってよかった。
自分のことは責任を負うこと。これができなきゃ楽しめない。と。
弟子はいう。
るみばあちゃんは負けず嫌い。
勝とうとせんでいい。とはよく言われる。ただ、負けるな。というところにるみばあちゃんのすべてを感じる。
ひとりの男の人生を変えるうどん。
いい話や(iωi)