多額の生命保険で節税すると、税務調査で否認されるのか?
「多額の生命保険に加入して節税すると、税務調査で否認される」
そんなことを聞いたことがある方も多いかと思いますが、本当にそうでしょうか?
過去、これに関して争いになり、納税者の主張が全面的に認められた事例があります(平成14年6月10日、国税不服審判所の裁決)
ちなみに、問題になった事業年度は平成9年12月期、平成10年12月期で、当時の税制では、がん保険、逓増定期保険は全額損金という時代でした。
そして、この会社(養鶏業)は平成9年12月期に約1億6,000万円(その結果、所得は約1億3,700万円)、平成10年12月期に約2億6,200万円(その結果、所得は約1億3,600万円)という多額の保険料を支払い、損金に算入したのでした。
しかし、審判所の判断は下記となり、納税者の主張を全面的に認めたのでした。
ここまで極端な事例であっても認められている訳ですから、多額の生命保険に加入して節税すると税務調査で否認されるというのはないのです。
もし、税務調査の現場で問題になることがあった場合、この裁決を提示すれば、その否認指摘はすぐに引っ込むことでしょう。
以下、審判所の裁決を記載しますが、一部、私が改定します。
納税者は福利厚生規定に記載し、逓増定期保険契約については、各自の署名・捺印を徴して周知していること、がん保険については、がん保険通達に従って払込期間に応じて均等年払処理をしていること、などの事実を認定した上で、
①生命保険通達を適用した経理処理の結果として法人税額が減少することとなるとしても、これをもって不当な税負担の軽減に当たるとはいえない
②保険契約の締結に当たり、シミュレーションを行ったことについては、実質的な税負担や解約返戻金を検討することは、経営者としての経営判断の一つであると認められるから不当な税負担の軽減に当たるということはできない
③一部の退職者につき年度中に解約の手続が採られていないことは、翌事業年度に解約手続を採る方が解約メリットが多いことから中途解約をしなかったものと推認されること
④本件生命保険契約は、各生命保険会社との間で有効に成立した第三者取引であって同族会社特有の取引ではなく、法人税の負担を不当に減少させるものとも認められない
結果として、同族会社の行為計算※には該当しないので、税務署の処分はその全部を取り消すのが相当である。
※同族会社の場合、税法に駄目と書いていなくても、税務署が「税負担が不当に減少している」と考えたら否認できるという規定
(出典:TAINS)
この裁決は非常に重要なものなので、是非、覚えておいて頂ければと思います。
そんなことを聞いたことがある方も多いかと思いますが、本当にそうでしょうか?
過去、これに関して争いになり、納税者の主張が全面的に認められた事例があります(平成14年6月10日、国税不服審判所の裁決)
ちなみに、問題になった事業年度は平成9年12月期、平成10年12月期で、当時の税制では、がん保険、逓増定期保険は全額損金という時代でした。
そして、この会社(養鶏業)は平成9年12月期に約1億6,000万円(その結果、所得は約1億3,700万円)、平成10年12月期に約2億6,200万円(その結果、所得は約1億3,600万円)という多額の保険料を支払い、損金に算入したのでした。
しかし、審判所の判断は下記となり、納税者の主張を全面的に認めたのでした。
ここまで極端な事例であっても認められている訳ですから、多額の生命保険に加入して節税すると税務調査で否認されるというのはないのです。
もし、税務調査の現場で問題になることがあった場合、この裁決を提示すれば、その否認指摘はすぐに引っ込むことでしょう。
以下、審判所の裁決を記載しますが、一部、私が改定します。
納税者は福利厚生規定に記載し、逓増定期保険契約については、各自の署名・捺印を徴して周知していること、がん保険については、がん保険通達に従って払込期間に応じて均等年払処理をしていること、などの事実を認定した上で、
①生命保険通達を適用した経理処理の結果として法人税額が減少することとなるとしても、これをもって不当な税負担の軽減に当たるとはいえない
②保険契約の締結に当たり、シミュレーションを行ったことについては、実質的な税負担や解約返戻金を検討することは、経営者としての経営判断の一つであると認められるから不当な税負担の軽減に当たるということはできない
③一部の退職者につき年度中に解約の手続が採られていないことは、翌事業年度に解約手続を採る方が解約メリットが多いことから中途解約をしなかったものと推認されること
④本件生命保険契約は、各生命保険会社との間で有効に成立した第三者取引であって同族会社特有の取引ではなく、法人税の負担を不当に減少させるものとも認められない
結果として、同族会社の行為計算※には該当しないので、税務署の処分はその全部を取り消すのが相当である。
※同族会社の場合、税法に駄目と書いていなくても、税務署が「税負担が不当に減少している」と考えたら否認できるという規定
(出典:TAINS)
この裁決は非常に重要なものなので、是非、覚えておいて頂ければと思います。
修繕費なのか?固定資産に計上なのか?
先日、節税に間するセミナーを行ったのですが、その懇親会で出たご質問に「多額の修繕費がかかった場合、それを修繕費として経費にしていいのか?固定資産に計上すべきか?が分かりません。顧問税理士に聞くと、『多額なので固定資産に計上した方がいい。どうせ減価償却費として経費になるのだから、いいではないですか。』と言われました。どう判断すべきなのでしょうか?」というものがありました。
当然ですが、多額だから修繕費にはならず、固定資産に計上すべきというのは間違った意見です。
1億円かかろうが、2億円かかろうが、修繕費として経費にできるものはできるのです。
実際、平成13年9月20日の国税不服審判所の裁決(非公開裁決)で、2,000万円以上の修繕費が認められた事例があります。
ちなみに、この修繕は雨もり防止のために陸屋根(ビルの屋上などの平らな屋根)に折板屋根工事を増設したものです(当然、物理的に物が付加されたら、修繕費にならない訳でもありません)。
これに関し、国税不服審判所は下記と判断し、納税者の主張を全面的に認めています。
・これらの工事は応急的に行なわれたものであり、この工法が雨漏りを防ぐ 一番安価な方法であった
・過去何度となく補修工事を行っていたにもかかわらず、雨漏りが続いていた
・本件工事を行わない場合には漏水による建物各部分への影響が不可避であり、結果的に当初予測した建物使用可能期間を短縮させることになる
・本件工事によって新たに生じた屋根裏の空間には利用価値が認められないことから、請求人が施工した陸屋根全体を覆う防水工事は、建物の維持管理のための措置であったと認められる
ちなみに、固定資産に計上する根拠は法人税法施行令第132条というところに買いてあり、その中で「使用可能期間の延長」、「価額の増加」に該当する場合は固定資産に計上する(=資本的支出になる)と書いてあります。
金額基準を記した通達もありますが、通達は国税職員を拘束するものではあっても、納税者や税務訴訟になった場合の裁判所を拘束するものではありません。
必要以上に通達に縛られることなく、あくまでも「使用可能期間の延長」、「価額の増加」という観点から考えることが重要なのです。
参考:法人税法施行令第132条(資本的支出)
内国法人が、修理、改良その他いずれの名義をもつてするかを問わず、その有する固定資産について支出する金額で次に掲げる金額に該当するもの(そのいずれにも該当する場合には、いずれか多い金額)は、その内国法人のその支出する日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測される当該資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額
二当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測されるその支出の時における当該資産の価額を増加させる部分に対応する金額
当然ですが、多額だから修繕費にはならず、固定資産に計上すべきというのは間違った意見です。
1億円かかろうが、2億円かかろうが、修繕費として経費にできるものはできるのです。
実際、平成13年9月20日の国税不服審判所の裁決(非公開裁決)で、2,000万円以上の修繕費が認められた事例があります。
ちなみに、この修繕は雨もり防止のために陸屋根(ビルの屋上などの平らな屋根)に折板屋根工事を増設したものです(当然、物理的に物が付加されたら、修繕費にならない訳でもありません)。
これに関し、国税不服審判所は下記と判断し、納税者の主張を全面的に認めています。
・これらの工事は応急的に行なわれたものであり、この工法が雨漏りを防ぐ 一番安価な方法であった
・過去何度となく補修工事を行っていたにもかかわらず、雨漏りが続いていた
・本件工事を行わない場合には漏水による建物各部分への影響が不可避であり、結果的に当初予測した建物使用可能期間を短縮させることになる
・本件工事によって新たに生じた屋根裏の空間には利用価値が認められないことから、請求人が施工した陸屋根全体を覆う防水工事は、建物の維持管理のための措置であったと認められる
ちなみに、固定資産に計上する根拠は法人税法施行令第132条というところに買いてあり、その中で「使用可能期間の延長」、「価額の増加」に該当する場合は固定資産に計上する(=資本的支出になる)と書いてあります。
金額基準を記した通達もありますが、通達は国税職員を拘束するものではあっても、納税者や税務訴訟になった場合の裁判所を拘束するものではありません。
必要以上に通達に縛られることなく、あくまでも「使用可能期間の延長」、「価額の増加」という観点から考えることが重要なのです。
参考:法人税法施行令第132条(資本的支出)
内国法人が、修理、改良その他いずれの名義をもつてするかを問わず、その有する固定資産について支出する金額で次に掲げる金額に該当するもの(そのいずれにも該当する場合には、いずれか多い金額)は、その内国法人のその支出する日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測される当該資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額
二当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測されるその支出の時における当該資産の価額を増加させる部分に対応する金額
翌期の経費を今期の経費にする節税の間違い
私自身が今までに何度か税理士から相談を受けたことがあるので、ミスをしている事例がそれなりの件数になっているのではないかと思われますが、こんなミスがあります。
それは翌期分の経費を今期に支払い、今期の経費としてしまう節税の盲点です。
この節税対策の対象となる経費は「等質等量のサービス」であることが大前提なので、税理士の顧問料は1年分を前払いしたとしても今期の経費にはなりません。
当然ですが、税理士に相談する内容が毎月、同じ量で同じ質ということはあり得ません。
2年毎に改定される「税務相談事例集」(大蔵財務協会)という書籍にも弁護士の顧問料を例にして、同じ解説がされています。
以下、参考までに、TKC税務Q&Aデータベースからの抜粋です(誰でも無料で利用できます)。
前払費用の意義については、法基通2-2-14通達において明らかにされていますが、更に具体的に述べますと、次のようになります。
(1)一定の契約に従って継続的に提供を受けること、要するに等質等量のサービスがその契約期間中継続的に提供されること。
(2)役務の提供の対価であること。
(3)翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること。
(4)現実にその対価として支払ったものであること。
以上の要件のすべてを満たす費用が本通達における前払費用に該当することとなりますので、一定の時期に特定のサービスを受けるためにあらかじめ支払った対価(例えば、前払い給料、前払い顧問料、翌期に放映されるテレビCM料等)、あるいは物の購入とか生産に対する対価の前払いは前払金(又は前渡金、手付金)であって前払費用に該当しません。
それは翌期分の経費を今期に支払い、今期の経費としてしまう節税の盲点です。
この節税対策の対象となる経費は「等質等量のサービス」であることが大前提なので、税理士の顧問料は1年分を前払いしたとしても今期の経費にはなりません。
当然ですが、税理士に相談する内容が毎月、同じ量で同じ質ということはあり得ません。
2年毎に改定される「税務相談事例集」(大蔵財務協会)という書籍にも弁護士の顧問料を例にして、同じ解説がされています。
以下、参考までに、TKC税務Q&Aデータベースからの抜粋です(誰でも無料で利用できます)。
前払費用の意義については、法基通2-2-14通達において明らかにされていますが、更に具体的に述べますと、次のようになります。
(1)一定の契約に従って継続的に提供を受けること、要するに等質等量のサービスがその契約期間中継続的に提供されること。
(2)役務の提供の対価であること。
(3)翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること。
(4)現実にその対価として支払ったものであること。
以上の要件のすべてを満たす費用が本通達における前払費用に該当することとなりますので、一定の時期に特定のサービスを受けるためにあらかじめ支払った対価(例えば、前払い給料、前払い顧問料、翌期に放映されるテレビCM料等)、あるいは物の購入とか生産に対する対価の前払いは前払金(又は前渡金、手付金)であって前払費用に該当しません。
役員のゴルフ代は交際費?、役員賞与?
役員が仕事上?でゴルフにでかけるケースはあり、その大半は交際費として処理されているでしょう。
しかし、それが交際費でなく、役員賞与とされた事例(東京地裁(昭和57年5月20日)があるので、注意が必要です。
なお、この裁判は東京高裁(昭和59年4月26日)で納税者敗訴で確定しています。
以下、東京地裁の判決文から一部を抜粋しますので、ご覧下さい。
()書きは私が補足しました。
(納税者は)ゴルフに出かけることにより、同業者や他の事業者等から有益な情報を入手したり、従業員対策、資金対策の便を得たるすることができ、本件プレー費用(2)は原告の事業にとつて欠かせない交際費であると供述する。
確かに、そのような便益は考えられるが、それは事業家としての高木個人の問題であるにとどまり、未だ原告の事業との具体的な関連性に結びつく事柄ではない。したがつて、このようなことをもつて前記結論(役員賞与という結論)が左右されるものではない。
しかし、それが交際費でなく、役員賞与とされた事例(東京地裁(昭和57年5月20日)があるので、注意が必要です。
なお、この裁判は東京高裁(昭和59年4月26日)で納税者敗訴で確定しています。
以下、東京地裁の判決文から一部を抜粋しますので、ご覧下さい。
()書きは私が補足しました。
(納税者は)ゴルフに出かけることにより、同業者や他の事業者等から有益な情報を入手したり、従業員対策、資金対策の便を得たるすることができ、本件プレー費用(2)は原告の事業にとつて欠かせない交際費であると供述する。
確かに、そのような便益は考えられるが、それは事業家としての高木個人の問題であるにとどまり、未だ原告の事業との具体的な関連性に結びつく事柄ではない。したがつて、このようなことをもつて前記結論(役員賞与という結論)が左右されるものではない。
修繕費?、固定資産に計上?
固定資産の修繕をする場合、物理的な付加が必要な場合もあります。
こういう場合、それは修繕費という一時の経費ではなく、固定資産に計上して、法定耐用年数の期間で減価償却して経費にする、と考えがちです。
なぜならば、法人税基本通達の中に「例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。(1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額(以下、略)」とあるからです。
しかし、「物理的付加があるから資産計上」という考え方は間違っており、実際、多額のコストであり、かつ、物理的付加が加わっているにも関わらず、修繕費として認められた事例があります(平成13年9月20日裁決、平成14年8月21日裁決)。
多額の修繕費は保守的に処理しがちですが、そうではないので、覚えておいてくださいね。
こういう場合、それは修繕費という一時の経費ではなく、固定資産に計上して、法定耐用年数の期間で減価償却して経費にする、と考えがちです。
なぜならば、法人税基本通達の中に「例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。(1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額(以下、略)」とあるからです。
しかし、「物理的付加があるから資産計上」という考え方は間違っており、実際、多額のコストであり、かつ、物理的付加が加わっているにも関わらず、修繕費として認められた事例があります(平成13年9月20日裁決、平成14年8月21日裁決)。
多額の修繕費は保守的に処理しがちですが、そうではないので、覚えておいてくださいね。
個人事業主の必要経費(自宅の家賃)に関する注意点(家事関連費)
保険代理店を営む個人事業主の自宅兼事務所の家賃(月17万円)のうち、1階のリビングダイニング25㎡、2階(3室)の1室の洋間9㎡分を必要経費にしており、税務調査で否認された事例があります。
この事例は東京地裁(平成25年10月17日)で納税者敗訴となり、控訴しなかったので、この判決は確定しています。
この事例から覚えておいて頂きたい内容を「簡単に」解説したいと思います。
当然、これは事業所得だけでなく、不動産所得などにも共通する考え方です。
「個人的な費用」と「事業に関連する費用」が混在している場合、これを「家事関連費」といいます。
家事関連費は①主たる部分が事業に必要であり、かつ、その部分を明らかに区分することができる金額、②青色申告者の場合は取引の記録等に基づき、事業に必要であったことが明らかにされる部分の金額、に限って必要経費に算入することができることになっています。
さて、ここで上記の納税者敗訴の事例に戻りますが、納税者敗訴の理由は「住宅の一部を居住用と事業用に明確に区分することはできないから」です。
また、「リビングなどを『常時』業務専用として使用していたとは考えられない」とも示しています。
ここは推察ですが、自宅なので1階のリビングも2階の洋間も「『常時』業務専用」という状況には現実的にはなっていなかったでしょう。
そもそも保険代理店のビジネスは大半が顧客先の商談でしょうから。
この家事関連費に関しては税理士も含め、多くの方が誤解しています。
事業所得であれ、不動産所得であれ、自宅家賃のような家事関連費の一部を必要経費に算入しているケースは多いかと思います。
しかし、家事関連費が必要経費になるためには、ここで書いた条件が必要になるので、ご注意下さいね。
(以下、税理士向け)
長くなるので、ここでは少ししか書きませんが、通達の解釈を間違っている税理士も沢山います(基本通達の50%ルールは業務の遂行上、必要な部分が特定し得ない場合に限られます)。
「50%超=家事関連費が必要経費になる」ではないので、ご注意下さいね。
この事例は東京地裁(平成25年10月17日)で納税者敗訴となり、控訴しなかったので、この判決は確定しています。
この事例から覚えておいて頂きたい内容を「簡単に」解説したいと思います。
当然、これは事業所得だけでなく、不動産所得などにも共通する考え方です。
「個人的な費用」と「事業に関連する費用」が混在している場合、これを「家事関連費」といいます。
家事関連費は①主たる部分が事業に必要であり、かつ、その部分を明らかに区分することができる金額、②青色申告者の場合は取引の記録等に基づき、事業に必要であったことが明らかにされる部分の金額、に限って必要経費に算入することができることになっています。
さて、ここで上記の納税者敗訴の事例に戻りますが、納税者敗訴の理由は「住宅の一部を居住用と事業用に明確に区分することはできないから」です。
また、「リビングなどを『常時』業務専用として使用していたとは考えられない」とも示しています。
ここは推察ですが、自宅なので1階のリビングも2階の洋間も「『常時』業務専用」という状況には現実的にはなっていなかったでしょう。
そもそも保険代理店のビジネスは大半が顧客先の商談でしょうから。
この家事関連費に関しては税理士も含め、多くの方が誤解しています。
事業所得であれ、不動産所得であれ、自宅家賃のような家事関連費の一部を必要経費に算入しているケースは多いかと思います。
しかし、家事関連費が必要経費になるためには、ここで書いた条件が必要になるので、ご注意下さいね。
(以下、税理士向け)
長くなるので、ここでは少ししか書きませんが、通達の解釈を間違っている税理士も沢山います(基本通達の50%ルールは業務の遂行上、必要な部分が特定し得ない場合に限られます)。
「50%超=家事関連費が必要経費になる」ではないので、ご注意下さいね。



