最近読んだ本の中でおもしろかったのは、斎藤美奈子著「挑発する少女小説」、

なんてシンプルな装丁でしょう。

少女小説とは何か、それはリアリズム小説であり、良妻賢母を育てるツールであったと。

しかし、おなじみの「赤毛のアン」や「ハイジ」「若草物語」などが、国境や時代を超えて、

今も読み継がれるのは、少女の成長物語が一見保守的でありながらも、多様な読み方ができる作品だから、云々。さほど新しいことをいっているわけではありませんが、

これら英米の有名少女小説をあらすじに沿って読み解いていく口調は、歯切れよくシニカルで新鮮。ストーリーと時代背景がくっきりと立ち上がります。

少女小説は恋愛より友情、成年男子は不要不在、アンは、みなしごの就活小説、ハイジは出稼ぎ少女の星などなど、きっぱりとした「お裁き」に、なるほどと頷ける解説本です。

記憶をたどれば、しっかり読んだ作品、たぶんダイジェスト版で読んだ作品、アニメに上書きされた作品があります。未読は、「大草原の小さな家」と、読んだ気になっていただけの「あしながおじさん」でした。

少女小説は、「挑発」しているのでしょうか。

主人公の生き方に、わたしは、「挑発」されたのか、されなかったのか。

著者からは、まさに再読を「挑発」されているようですが。

取り上げている作品

１バーネット「小公女」

２オルコット「若草物語」

３シュピーリ「ハイジ」

４モンゴメリ「赤毛のアン」

５ウェブスター「あしながおじさん」

６バーネット「秘密の花園」

７ワイルダー「大草原の小さな家」シリーズ

８ケストナー「ふたりのロッテ」

９リンドグレーン「長くつ下のピッピ」

でも、昔も今も、児童文学は、リアリズムよりファンタジー作品が好きです。

ああ、上質のファンタジー作品が読みたくなりました。

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あでやかな絞りの牡丹（大仙公園にて）

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ウクライナに平和な日々がもどりますように。

一刻も早い終戦を願っています。

少女小説は挑発する？