それは、詐欺に遭ったことだ。

被害は620万円

とても一人で返せる訳もなく、途方に暮れ、ウツになりかけた。

いや、「家がなくても、一日500円で暮らせば、1,000万円あれば一生暮らせるな…。いっそ、死んだ方がええかもな…。」と考えていたから、ウツだったのかもしれない。

毎日、毎日、お金のかからない総合センターのラウンジや町の図書館で時間を潰した

俺が行く先々に、いつも同じおじいさんが居たが、挨拶する気力もなくなった。

やがて、家賃も払えず滞納し、電気も水道も止められた。

昼間部屋に帰ると、大家さんが取立に来るので、なるべく真夜中に帰るようにした

しかし、それも限界に達する日がやってきた。


それは…(つづく)