転職した先の会社は事務用品を卸す会社でした。営業アシスタントとして受発注業務、パソコンでの資料作成や来客応対など内勤の事務全般を他の女性社員と3人で担当していました。
仕事を始めて1年近くたち、男性社員それぞれの性格や取引先の企業の特徴などがわかってきました。任される仕事も増えてきたので、このまま続けて行かれるものと思っていました。
ある時、いつもの朝礼で専務が「経理担当の女性が会社のお金を着服したことがわかった。本人は非を認めて自主退職することになった。」と発表しました。
経理担当の女性は社長が会社を作った初期のころから働いている人で、経理だけでなく、総務や人事の事全てを担当していました。会社案内の冊子に写真とインタビューが載っていたような人です。私は専務の発言を聞いて違和感を覚えました。DM発送用の郵便料金を着服するって、リスクが高いわりに金額が低くて割が合わないと思われます。
その会社は社員が50人ほどの小さな会社でしたが、給料は悪くありませんでした。彼女は勤務歴も長いので、私より給料が高いはずです。それなのに、着服するのかなと思いました。
この件をきっかけに、専務は無理やりと思える人事異動を発表しはじめました。
事務用品の店長は営業に、営業だった男性は配送に、倉庫担当を営業にといった具合です。私にも営業への移動を命ぜられました。営業アシスタントとして採用されたにもかかわらずです。私には営業が出来る経験もなければ、能力もありません。そこで、専務にその旨伝えると、退職を促されました。
聞いてみると他の人も退職を余儀なくされた人が多かったと聞きました。専務は仕事の成績で適材適所を判断しているのではなく、専務の好き嫌いで判断し、好きな社員だけを専務のまわりに配置していたのです。専務は実の父親である社長とも仲が悪かったので、社長を会社の業務に関わらせないようにしていました。
私は退職を余儀なくされました。他にも退職に追い込まれた人がいたそうです。人事も担当していた経理の女性が辞めてしまったので、退職に必要な書類がなかなか届かなくて困りました。
社員同士が一緒に飲みに行ったりすることのあまりない職場でしたが、さらに上司と部下の関係もぎくしゃくするようになってしまいました。
しばらくして、会社の経営に行き詰まり、倒産することになりました。あの無理やりだった人事異動は会社の経営が苦しくなったための人員整理だったのです。全員解雇となってしまいましたが、再就職の世話をしてくれるわけでもなく、社員は放り出されたような状態だったそうです。
無理な人事異動や不自然な退職は辞めさせられた可能性が高いです。情報を入手して、証拠を集めます。退職後はハローワークの手続きが必要ですが、書類がそろわない場合はハローワークに相談すると良いそうです。ひとりで再就職先を探すよりは転職エージェントや派遣会社を利用するのも良い方法です。
私は派遣社員として仕事をすることにしました。仕事内容が事前にきちんと決まっていること、困ったことは派遣会社に相談できること、スキルアップがはかれたので、結果としては良かったと思っています。