トルコ絨毯を破格の値段で買う。 | MiSTANBULのルンルン♪トルコ日記

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トルコ雑貨屋MiSTANBUL店主が書く、
トルコ・日本・オーストラリア・その他の国でのルンルン生活日記。

この日の冒険其の壱。

 

 

トルコに到着してからというもの、

 

Eちゃんが

 

「ボスにPrayer matをひとつお土産に頼まれている」

 

と言い続けていました。

 

 

Prayer mat(お祈り用マット)と言っても

 

Eちゃんの上司はオーストラリア人でイスラム教徒でもないので

 

実際にそれを使ってお祈りするわけではなく

 

単に玄関サイズくらいの小さな絨毯が欲しいらしい。

 

 

予算は低いからそれほど高級品は望まない、とのことだったので

 

てっきりイスタンブール問屋街で5リラ程度で売られている

 

中国製機械織りの低品質やすやすマットで良いのかと思ったら

 

手織りを希望してる、とのこと。

 

 

その予算、たったの数十豪ドル(数千円)。

 

 

ちょっと難しいんじゃないの~?

 

と言いつつ、ギョレメにある大きな絨毯屋さんに立ち寄ってみました。

 

美しいトルコの芸術品は、見るだけでも目の保養になる。

 

 

ギョレメにいくつか絨毯屋さんがあるなかで

 

特にこのお店は規模が大きいようでした。

 

 

惜しげもなくジジムやキリムラグを店頭に飾っています。

 

イスタンブールの店舗だと、ここまでの面積を使うのは難しい。

 

 

お店の中は、絨毯が山積みです。

 

 

主に置いてあるのはウールのトライバル系ラグ。

 

シルクヘレケ等の超高級品は数が少ないのか、それともどこかに隠してあるのか。

 

 

チェイレッキ(お祈りサイズ)かヤストゥック(更に小さい玄関サイズ)見せて、

 

とお願いすると

 

すぐに色々広げてくれます。

 

 

EちゃんがオーストラリアのボスにViberで連絡。

 

画像を見せながら、こんなのもある、値段はこれくらい・・・と説明するも

 

ボスは本気で欲しいのか、欲しくないのか、

 

いろいろとつぶやきつつも、

 

彼の中できっかり決めている予算を絶対に上げようとはしません。

 

 

そんな少ない金額で、手織り絨毯が買えると本当に思ってるの??

 

今の価格でも十分安いんだし、私達が持って帰れば送料もかからないから

 

もう既にかなりお得なんですけど・・・

 

と内心思いつつ、交渉を続ける私。

 

 

 

チェイレッキは値段的に絶対無理なので

 

小さめヤストゥックに集中する店主。

 

こんなにたくさん広げてくれました。

 

 

EちゃんがViberでボスとやり取りし(しかも音声通話でなくてテキストチャット)、

 

それを私が聞いてこの店の主と交渉。

 

店主が言っていることを私がEちゃんに伝え

 

Eちゃんがまたボスに伝える、という

 

まだるっこしいやり取りが20分も続いた頃、

 

Eちゃんも私もだんだん面倒くさくなってきました。

 

 

Eちゃんの上司もあるべき値段をわかってないなあ。

 

それなりの質のものにはそれなりの値段がつけられて然るべきなんだけれど・・・

 

 

もーいーや。

 

こんなにがんばって交渉したところでEちゃんにも私にも

 

一文の得も無いし。

 

と、言わんばかりの雰囲気が流れかけたとき

 

絨毯屋の店主が

 

「仕方ない、特別にその値段でいいよ!」

 

と半ば諦めたような笑顔で言い放ちました。

 

 

 

驚いたのは私のほう。

 

今までの経験上、それが破格の値段だってことは重々承知しています。

 

そんな値段でおじさん、儲けがあるの?!

 

 

「いいよ、いいよ。君達のことを気に入ったから、特別にその値段にしてあげる。

 

その代わり、オーストラリアで事業展開したいから一緒にビジネスしよう」

 

 

ふむ、それはおそらくご期待に添えないけれど

 

と思いながら、タマム、タマム(OK、OK)と適当な相槌を打つ私。

 

 

店主は助手に指示して

 

購入したヤストゥックを小さく折り畳み、油紙に包んで渡してくれる。

 

 

お店を出てもしばらく、その値段で絨毯を手に入れたことが信じられない私。

 

Eちゃんの上司、この価格がどれだけ有り得ない事か、ほんとに理解してるのかしら??

 

なんてラッキーな人なんだ・・・。

 

 

と考える私を横に

 

Eちゃんは浮かない顔。

 

どうしたのか尋ねると

 

「こんなものイスタンブールまで持って帰って、そこからまたオーストラリアまで運ばなくちゃいけないなんて憂鬱・・・。 スーツケースに入んないよ!交渉成立するなんて思ってなかった・・・」

 

と不満をこぼしました。

 

 

そうね~。

 

上司のご機嫌を取るためだと思って我慢するしかないね~。

 

 

 

そしてこの日一日、この格安ヤストゥックが頭から離れなかった私。

 

何と次の日にまたお店に戻り、

 

自分用にも1つ買いたい、と申し出ました。

 

 

「いや~、あれは一枚だけだったから、身銭を切るつもりであの値段にしたんだけど・・・」

 

と渋る店主に懇願し、

 

最終的に自分用にも一枚獲得した私。

 

 

「オーストラリア事業展開、よろしく」

 

と、私をぴったり抱き寄せてにやけ顔の店主。

 

 

かなりお得にしてくれたから、これくらいはサービスしても良かろう。

 

 

 

そしてこれが戦利品のヤストゥック。

 

 

このピンクが珍しくて気に入りました。

 

 

先日遊びに来たオーストラリア友に

 

「トルコ絨毯を玄関に置いてんの!?」

 

と驚かれたけれど、

(オーストラリアは基本的に土足で家に上がるので、時に玄関マット=靴拭きマットだと認識される)

 

彼女は私がいったいいくらでこれを手に入れたのか知らない。

 

 

ちなみにEちゃんのボスの絨毯は

 

カッパドキアからイスタンブール、イスタンブールからオーストラリアまで

 

帰りの行程全て、少しだけ余裕のあった私のスーツケースに入れて運びました。

 

たいそう喜んで受け取ってくれたらしいのですが

 

そのうちEちゃんにボーナスが出ることを願います。

 

 

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