いわゆる交際期間は1年半

 長いと見るか短いと見るかは人それぞれだけど、結納までが1年半で、婚約期間が約8ヶ月。 

 ずっと1人暮らしをしていたので、婚約期間中は相手の家に身の回りの荷物だけ持って半同棲

 同棲…と言っても、相手の両親も元夫の妹も暮らす家でしたので、事実上夫婦生活を送っていたようなもの。

 しっかりした義父、気の優しい義母、その両方を受け継いだ妹。

 一週間のうち2~3日とは言え、気を使う反面、家族…というものに縁遠かった私にはとても居心地のいい家庭に思えた。


 付き合い始めて間もなくのこと。

 夏休みがとれたので二人で海にでも…と2泊3日で小旅行。

 といっても、隣県、車で1時間程度。

 名跡をまわり、海で泳いで、温泉でゆっくり。

 いざ帰宅…となったとき、初めてそれだけ長く一緒にいられたのでとても寂しかったことを覚えている。

 離れがたくて、結局1人暮らしの私の家にきて翌日朝まで一緒にいた。

 そして、私は通常勤務。

 元夫は朝早くから仕事のはずなのに、勤務先に電話!

 …何かあったのか…?

 「朝出るの遅くなっちゃって、今日サボるから家に行っていい?」

 …自分の両親が経営する自営業が仕事の元夫。

 あきれた。

 勤務先の電話では詳しく話せないので、お昼休みに再度電話すると、今度はグチグチ言いはじめた。

 「お前と海に行くっつったら、お袋がくさい顔しやがってよ~、俺ももう27歳なんだからどこに誰と行こうと勝手だろ~?あんまりぐちぐちうるせーからしばらく帰らない」

 

 親の庇護の元、一度も他人の中で苦労したことの無いいわゆる二代目若様根性

 

 夫として、父親として頼りがいがあるかなんて、交際期間中は考えられない。

 当時の自分の馬鹿さ加減にも、腹が立つ。

 …いまさら後悔しても始まらないけど…。

 いかに楽しくて、私が好きそうなところに連れて行ってくれて、そういった努力を惜しまない。

 そして、ちょっと甘えん坊なところがあねさん肌の私にはとても魅力に思えたのだろう。

 …私は馬鹿だ。


 元夫に頼らなくても、十分やっていけるだけの仕事だったし、対等に付き合っていると思っていた。

 付き合いが長くなるにつれて、いつの間にか私は元夫のご機嫌を伺うようになっていた。

 何か、彼が原因で問題が生じても、自分の非を決して認めず、私や彼の両親のせいだといいはる

 カッと来ると、徹底的に口汚く罵り、場合によっては暴力に訴える。

 彼の両親に対してはそういったことはしないが、彼の後輩や、私などの「自分よりレベルが低い人間」に対しては、ちょっとした 口答えも許さない。

 彼の言う、「自分よりのレベルが低い人間」というのは、年齢的なものや環境、家庭環境、どんな仕事をしているかに左右されるらしい

 その個々人の評価ではないのだ。常に、自分にとって都合のいい解釈の相対性評価を下す。

 自分は周りからどう見られているかなどと冷静に現実を見ることもせず、いつも自分の小さな王国の王様でいたい人間。

 その価値判断は、幼児並だ。

 

 合法的に離婚したとは言え、逃げるように飛び出してきた。

 今現在も、何かされるのでは…という恐怖から抜け出せない。



 彼に似た容姿を見かけるだけで、冷や汗が噴出し、のどが渇き、体が震える。

 こうやって、当時のことをつとめて冷静に振り返ることで、いつか克服できれば…。


                                                 MissPlamカエル 

 

 

  

 

 

 10年


 愛すべき優しい隣人たちに祝福されながら、私の婚姻生活がはじまった。

 その婚姻期間は10年

 

 10年の間に、新しい家族関係、血縁、社会的主従関係とも違う連綿と受け継がれてきた男女についての価値観による主従関係、私個人の属性の変化、そして愛するわが子の出産。

 いわゆる「嫁」に行く「婿に行く」側の、その劇的な変化はアゲハ蝶なみ。


 私の両親は、戦後生まれのもっとも代表的な夫婦関係を築き、子どもが生まれれば友達親子と称されるゴールデンタイムに放送されるような典型的なアットホーム家庭。

 適度な躾と適度な大和撫子然たる立ち居振る舞いができるような知識と、長ずるにつれて身につけた社会性(いわゆる八方美人)で、些細な瑕はあったとしても、良くも悪くも中流に育つ。


 両親ともサラリーマン家庭に育った私は、前世紀の遺物のような家父長制度が残存する自営業家庭に馴染む(というか慣れる、我慢する)までやや時間がかかったように思う。

 青色専従主婦の義母はいつも義父の顔色を伺い、半人前の息子(前夫)の不始末は義父に知られること無く処理。

 40歳も目前の息子がしでかした借金、傷害、事故。

 全てが義母もしくは義父母の手で処理されていく。

 そう、本人は何一つ明確な責任をとらずに。

 

 義父は苦労して苦労して今の社会的地位を気づいた人。

 前夫はいわゆる「二代目」だ。

 労せず「若旦那」の地位を手にいれ、従属的義母により表面上を取り繕われ、いたずらに歳をとってしまった「大きな子供」。

 結婚して、2年目で離婚ばかり考えるようになっていた。

 

 逃げ出すように実家に帰り、現在も続く嫌がらせを思えば、身震いするほどの嫌悪感しかない。

 私と義父母の関係は良好だったが、あの「大きな子供」を育ててしまった押し付けがましい過剰な干渉は私の子供たちにも及んだ。

 

 自分自身の心の整理を目的としてブログを書こうと思えば、私側から見た前夫への誹謗ばかりとなるかもしれない。

 

 だが、いまだに続く嫌がらせは刑事告訴をも検討中であるし、現在の自分の位置の再確認のためにも、また私と同じような悩みを持つ方への後押しとなれば…。

 

                                                                 Miss.Plamとかげ