少し前までは、広大なアメリカの大自然を、
キャンプをしながらオフロードの旅に出たものである。
一日14時間ぐらい運転もした。
国立公園近くは、本当に荒野だ。家もなければ、お店もない。
ここで遭難したら、終わりだな、と思うこともある。
ドライブといえども、ほとんどがダート・ロードの場所もある。
そんな大自然の真っ只中では、車とすれ違うこともまれだ。
もちろん、民家もない。夜になると、足元も見えないほどの漆黒の暗闇だ。
コヨーテのハウリングが聞こえることもある。
そんな中、タイヤがパンクしたことがある。
ダート・ロードでは、思わぬところに尖った石が転がっているのだ。
この時ばかりは、本当に頭が真っ白になった。
なんと、タイヤ交換の工具が、
レンタカーに装備されていなかったのだ。
「うそだろー。」
近くの町まで車で2時間はかかる。
さらには、車一台がやっと通れるような荒野の一本道で、
人に会うこともない。
携帯電話も圏外だ。
更には、もうすぐ日が沈む。
パンクをしたまま進む、というのが最後の決断だった。
ここにいても、何日も人が来ることはないだろう、と思った。
こんな静かな場所だと、タイヤの空気が抜けていく音が物悲しく聞こえる。
空を飛んでいる鷹を見た時、
どれほど何かを伝えたかったことか。
そして、タイヤが耐えてくれることを、どれほど祈ったことか。
ペタペタ、とタイヤは音をだしながら、
ゆっくり、ゆっくり進んだ。
そして、日が沈み、星が見え始めたとき、
街の光が見えた。
「あー、助かった。」
こんな、オフロード旅でも、大自然を体感できるところが、魅力的だ。
旅の途中は、野生の動物もいることから、安全な車の中で寝ることも多い。
ただ、そんな旅の最後には、とびきり安らげるホテルに泊まりたくなる。
その、一泊が重要なのだ。
最後の一泊にかけ、オンラインで様々なレビューを見ながら、
何時間もかけて、ホテルを吟味する。
アメリカでは、部屋の状態が「完璧」であることを期待するのは、難しい。
電気のバルブが切れていたり、
お湯が出にくかったり、
備品が欠けていたり、
残念な気持ちになりたくない。
オンラインで調べられる情報も限らている。
大げさかもしれないが、バジェットも限らているので、吟味に吟味を重ねて、一泊を決める。
泊まってみて初めて分かることも多くある。
あー、山の景色が見える部屋を選んでおけば良かった、とか、
あー、小さホテルでも、家族で人情味ある手厚いサービスをもてなしてもらった、
とか。
トリップ・アドバイザーという、観光地のレビューサイトがある。
そんなちょっとした「気づき」を、いくつか投稿したことがある。
ありがたいことに、その数件の投稿に共感してくれる、
多くの読者がいたようだ。
最近、オフロードの旅に出ていないが、
あの思い出が懐かしく蘇る。
また、旅に出てみるか。。。。