ファンブログ❤ 紫式部に恋をして<十三>源氏物語 和歌 玉鬘(たまかずら)の巻 | みそらの日日是好日 ‪‪ᵕ̈* ニチニチコレコウジツᵕ̈*

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2020年春...
1998年生まれの長男は
東京で社会人に。
2000年生まれの長女は
うどん県で女子大生。
これから わたし時間を楽しむぞ!!(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛









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二十二帖玉鬘

源氏は歳月が過ぎても夕顔を忘れることが出来ない。

あの時つれてきた夕顔の女房の右近も
源氏の女房として今も仕えている。

右近はもし夕顔が生きていたら
はなやかな六条の院に迎えられ、
明石の君程度の扱いは受けただろうにと
何かにつけて思い出している。

右近はあれきり夕顔のいた五条の家にも
戻らず姿をくらました形になったので
西の京の乳母たちは
右近も共々神かくしにでもあったか
命を落としたのだろうくらいに考えていた。

夕顔の子供の女の子が四つになった時
乳母の夫が太宰の少弐になって赴任したので
一家で移ることになり、その時幼い姫君も
伴われて筑紫に行ってしまった。

夕顔の女の子は十歳くらいになっていたが
天性の美貌はすでに輝きだしていた。
少弐の死後も筑紫で暮らし
年頃になった姫君は
ますます美しく品よくなり その評判が
伝わって求婚者があとを立たない。

乳母は困って
この娘は結婚できない欠点が体にあると言って
求婚者をしりぞける。

中に肥後の国の大夫の監たいふのげん
という武士がいて、その地方一帯に勢力を持ち
羽振りがいい。
この男が熱烈に求婚して
どんな体でも自分が治して幸福にすると言ってきかない。

大夫の監は乳母の次男と三男を味方につけ
反対すればこ土地にいられないようにすると脅す。

長男の豊後の介だけが姫君に忠誠で
乳母と計り、ひそかに船で筑紫を逃げだし 京へ向かう。

どうにか無事京に帰りついたものの、もう知人もいなくなり乳母たちは生活のめどもつかない。
豊後の介の発案で あとは神仏に頼るしかないと
石清水八幡宮に参詣し つづいて御利益の高いという初瀬の観音に参詣することにした。

御利益を高めるため一行は徒歩で初瀬まで行く。
姫君はその道中で難渋し足を痛め命からがら
ようやく初瀬山の麓の椿市までたどり着く。

その宿に 偶然、源氏に引きとめられている右近が
やはり姫君の行方を知らせてほしいと願をかけて
初瀬の観音に詣っており泊まり合わせた。

この不思議なめぐりあいから姫君たちの一行と右近は翌日も一緒に観音に参詣し 宿房で泊まり、語り明かす。

六条の院に帰った右近は 夕顔の遺児にめぐりあったことを源氏に話し、
源氏は自分のよそに生ませてあった娘だと世間には触れて この娘を六条の院に引き取るのだった。

事実は紫の上にだけ話し
姫君の身柄は花散里に預けて 後見を頼む。
東北の町の花散里の邸の西の対に住まわせる。

源氏は 初めて逢った娘の予想以上の美しさに
夕顔を思い出し感動する。

源氏がこの娘に逢った感想を紫の上に告げた時に詠んだ

恋ひわたる身はそれなれど玉かづら
いかなる筋を尋ね来つらむ

という歌から
この姫君を玉鬘と呼ぶようになり
この帖の題名にもなった。

この年の暮れ、源氏は六条の院の女君たちに
それぞれ正月用の晴れ着を選んで贈る。
選ぶのは東南の春の邸で紫の上と一緒にそれは行われる。
紫の上は源氏の選ぶ衣装によって
女君たちの美しさや性格を想像しようとする。

この衣装選びの場面はいかにも六条の院の栄華がしのばれて華やかで豪奢である。

「関屋」の帖以来
舞台から姿を消していた空蝉が尼になって
源氏に引き取られていることが
ここではじめて読者にわかる。

末摘花のこの時の返礼や引出物の突拍子もなさが物笑いにされてこの「玉鬘」の帖は終わる。

顔も覚えもない母と生き別れ
みなし児になった玉鬘が
筑紫にさすらい帰京して
六条の院に入るまでの境涯は
平安シンデレラ物語で、
波乱万丈、息もつかせぬ面白さと
当時読み聞かせられた人々は感じたのではないだろうか。

長谷寺詣りの椿市の宿での右近と乳母のめぐり合いなどは、出来すぎているという感じもあるが
人生にはこういう偶然が全くないとは言い切れないので、小説でそれを読んだ人々は実人生の苦しさの彼方に はかない願望の夢の虹をかけることもできるのである。

もう二十歳を過ぎた玉鬘は
苦労のせいで普通の深窓育ちの姫君よりも
人の心の機微にも鈍感でなく
母の夕顔より品があり理知的で華やかである。

聡明でたちまち六条の院の風に馴染み
みるみる都会的に洗練されてゆく。

源氏は魅力的な玉鬘を発見したことを
わざと実父の内大臣には告げず
表向きは自分の子のように見せかけ
男たちが玉鬘に惹かれて
右往左往するのを横から見て愉しもうなどという
けしからぬ魂胆を抱いている。

しかし早くも
父と娘の純な関係では収まりそうもない
好色な下心も動いているのである。

この帖で特筆すべき事柄は
玉鬘のドラマチックな運命のほかに
六条の院という源氏の理想のハレムの出現であろう。

四町という広さとあるが
後楽園の元球場の約五倍ほどの広さだという。

そこに季節にふさわしい女たちを配して
気の向くままに訪れるという構想は
男としての最高の贅沢と願望の実現である。

源氏物語巻四
瀬戸内寂聴訳引用




源氏物語が面白いほどわかる本
出口汪著より




寂聴さんのあらすじだけで
膨大な字数になってしまいました^^;
毎回 長い記事にお付き合いありがとうございます。







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ちょっとバタバタしそうなので
コメ欄閉じますね。

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