私の20代から30代を振り返ると、

そこには常に「本屋」の仕事があった。

 

特に25歳からの数年間は、

休みという概念を忘れるほど夢中で働いた記憶があります。

 

父は、一年のうち元旦しか休まない人でした。

そんな背中を見て育った私にとって、

年中無休で店を開けるのは、ごく自然なことだったのかもしれない。

 

1980年代。それは、雑誌が爆発的に売れていた時代です。

 月曜日の『週刊ジャンプ』、3日の学年誌、

そして少女たちの憧れだった『りぼん』『なかよし』『ちゃお』『ひとみ』。

 

入荷日の朝は6時に店に入り、山のような雑誌に付録を挟み込む作業から一日が始まる。

午前のパートさんが来ると、

開店と同時にバイクで配達に飛び出し、

お昼どきに商店街の休憩所で仲間と笑い合いながら束の間食事を済ませる。

 

午後はパートさんが交代し、午後のパートさんが、雑誌の付録を挟む作業。

私はレジでお客様を迎え入れる……。

 

10坪強の小さな店。けれど、そこには凄まじい熱気があった。

1日でジャンプが400冊、少女誌が500冊も売れていく光景は、今思い出しても凄かった。

 

店に活気が出てくると、取次(問屋)さんも声をかけてくれるようになった。

 ある日、東販(現トーハン)千葉支店のM係長から

「実績のある書店同士で集まってみないか」と誘われた。

 

千葉県内の志を同じくする書店主たちと

「拡販の会」を結成することになったのです。

「ただ待つのではなく、良い本を自分たちの手で広めていこう」という気構えだった。

 

その第一歩として私たちが挑んだのが、

あの重厚な一冊、講談社の『20世紀の全記録』だったのです。