寒い夜は好き

なんのにおいもしない

澄んだつめたい空気が

身体の奥にまで染み込んできて

わたしを凍らせる

気持ちいい……

自分が

つめたくなっていくのは好き

体温がどんどんなくなっていって

外の空気と同じになって

自分が生きてない気がしてくる

人間じゃない気がしてくる

そうなれば

もう寒くなんかない

何も感じない……


顔が熱い…

自分が熱いのはキライ

つめたくなって……

もっとつめたくなって

凍ってしまえ わたし

昔々ある国に、1匹のライオンが暮らしていました

ライオンは体が大きく、声も大きいので、国中の動物たちから怖がられていました

「ボクもみんなと遊びたい。みんなと一緒にかくれんぼをしたり、おやつを食べたりしてみたい」

ライオンはいつも、そう願っていました

…ある時、1匹のネコがライオンに言いました

「君はいつもひとりぼっち。私が友達になってあげましょう」と…

ライオンはとても喜びました。「ありがとうネコさん。君はボクが怖くないのかい?」

ネコは答えました。「君は大きいだけで、普通の動物と変わらない。怖いはずがないじゃないか」と

ライオンはネコの言葉に、涙を流してお礼を言いました

「ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう」

「さぁ、涙をふいて、かくれんぼをしよう。私たちが友達になって、初めての遊びだよ」

ライオンははりきって洞窟の奥の岩の影に隠れました

ところが…

いつまでたっても、ネコは見つけてくれません

きっとまだ探しているんだ。まだ、まだ…。

真っ暗な洞窟の中で、ライオンはネコを待ち続けました

しかし、ネコはライオンを見つけてはくれませんでした…

ネコの一族は、ライオンを恐れていました。

いつか自分たちは彼に食べられてしまうんじゃないか…

考え抜いたネコの一族は、ライオンを暗い洞窟に閉じ込めてしまおうと決めたのです

ライオンがかくれた洞窟を、ネコの一族は大きな岩でふさいでしまいました

ライオンが、そのことに気付けるはずがありません

姿形が違っても、自分を友達だと呼んでくれたネコの言葉を信じて彼はいつまでも待ち続けました

お腹が減って、暗くて怖くなっても、彼はネコを待ち続け…

やがて星の光になりました
神が罪のない私を

裁いたのなら

私は神を許さない

私は裁いた者達を

許さない