彼と付き合い始める前から彼の生まれ育った環境はなんとなく知っていた。


彼が捨てられた施設で育ったこと。


両親の顔を知らないこと。


彼女の両親に結婚を反対されて別れたこと。


友達から恋人になり出逢いから4年経ったクリスマスに彼が私に言った。


「俺の初めての家族になって欲しい」


ずっと一人で生きてきた彼の思いがたくさん詰まった言葉がすごく切ないはずなのに、それでも私はすごく嬉しかった。


彼がそれまでずっほ欲しかった家族。


その家族になれるっていうことが本当に嬉しかった。


涙目になりながら私に言ってくれた。


彼がいなくなってしまって家族になることはできなかったけど今でも大切な思い出。