宿舎。一体ここは。よくわからない。
ーーあれ?何してるの?
私はそう尋ねる。いつも通りを装って、顔が赤くなったのをそっと隠して。
ーーいや、ちょっと。
背の高い君の声。階段の一段上から君の声が微かに聞こえた。確かに私に。
ーーそっか。じゃあ部屋戻るね
と。一言言い終え私は君に背を向けた。
ーーあ!待って。
唐突に放たれたその言葉に驚く私に君は言う。
ーーありがとな。
ーーう、うん。
そっけない返事をして張り裂けそうな胸を必死に隠しひたむきに階段を駆け下りた。
今振り返ったら何故だか涙がこぼれそうで。悲しいことなんて何もないのに、
仮想空間に残された私。
ーーーーー。
目が覚めた。時計を見るとまだ6時前、外は暗くてまだ1日は始まらない。
ーー夢か。
独り言をつぶやいてまた目を瞑る。
けれども、この夢の続きは二度と始まらない。
無論この夢が現実になることも。
夢は罪だ。私に叶わない希望だけを持たせて逃げて行く。
夢だとわかった瞬間に、叫びたくなるこの悲痛を一体誰に向ければ、、。
夢は夢以下でも夢以上でもなく、夢でしかない。そう、特技は人を期待させて突き落とすこと。
なのに。なのに、願ってしまう。
明日も夢が見れますように。君に夢で会えますようにと。
ひとりごと。