ーーねえ、プリンセスの中で誰が一番好き??
ーーそうだなあ。やっぱシンデレラかな。
ーー王道のね。
ーーだってガラスの靴とか舞踏会とかキラキラ輝くイメージのものばっかで憧れるもん。
ーーああディズニー行きたい。
ーーんで?何のプリンセスが好きなの?
ーーん?ああうち?うちはジゼル。
ーーなにそれ。マイナー。
ーーそんな事言わないでよ。ジゼルって名前がかわいい。
ーー理由雑か。
ーーあはは。
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私には好きな人がいた。両想いだった、
でも。お互いに告白する勇気が無くてそのまま。
そしてそれでもその恋を応援してくれるもう一人の大切な男友達がいた。あいつにはなんでも話せる。
両片想いが1年。もう好きなのか好きじゃないのかもわからなくなってきた。一緒にいて楽しいけれど、好きな気持ちは薄れていく。。
ーーねえ、自転車の後ろ乗っけてよ。歩いて帰るの疲れる。
そう言って私はあいつの自転車に飛び乗った。
ーーお前重い。
ーーうるさい。
わたしはぎゅっと背中につかまった。無駄に強くつかまってやった。
ーーごめんごめん。そんなに強くつかまられたら痛いわ。
ーーわざとだよばーか。
ーーなあ。あの人とはどーなったの?まだ好きなの?
ーー、、、わかんない。
ーーどーゆーこと?
ーーなんかもう、好きかどうかわかんないの。
ーーついに、片想いも終わりかあ。応援してたのにな。
ーーまたリア充への道が遠ざかっちゃった。
ーーいいじゃん。まあ毎日楽しめれば。
ーーうん、そーだよね。
そう言って私はまた背中をつよくつかんだ。
ーーだから痛いってば。
笑いが起こる。まさかここに本物の幸せが落ちていたなんて思いもしなかった。
それから3ヶ月。気づけばあいつとLINEして気づけばあいつと電話して、、なにしてんのかなあって考えてて、
私。気づいたらあいつのことで頭がいっぱいだった。
これは恋、、?
ーーねえ自転車乗っけて。
ーーまた?いいよ。
ーーありがと。
ーーやけに素直じゃん今日。なんかあった?
ーーなにも。いや、あのね、いややっぱなんでもない。
ーー早く言って。なに?好きな人でもできた?
ーーえっっ!!!!
ーー図星かよー。んで誰?
ーー、、、あんた。
ーーはい?
ーー好き、なの。
ーー、、、。待ってた。
ーーえ?どーゆーこと?
ーーほんとはずっと好きだった。でも言えなかった。お前を困らせたくなかった。
なぜだか溢れる涙。こんなにも近くにあった幸せにずっと気づけなかった自分が辛くて。でも嬉しくて。
ーーありがとう。
ぎゅっと背中をつかんだ。ぎゅっと。
ーーだから痛いってば。何回やるんだよこのくだり。
ーー何回でも!!
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私がジゼルを好きな理由は名前だけなんかじゃない。
ジゼルは王子様との結婚の直前に魔法をかけられて夢の世界からニューヨークの現実世界に行ってしまう。王子様を探し続けるうちに出会うある一人の男の人。この男は王子様を探す手伝いをずっとして、ジゼルを支えた。やがて王子様と再会したジゼルは喜んで男の家を出る。だが。忘れられないあの男の人のことが。あの王子様でも何でもないただの弁護士の男の人が。
そして気づく。本当の恋に。本当に愛している人の存在に。
ジゼルはおてんばで常識知らずなプリンセス。そのプリンセスとちょっぴり重なる私。ほんのちょっとだけど。
一番近くにいる人の存在は近すぎて当たり前に感じる。
でも違う。近くにいて当たり前な人なんていない。おとぎ話のような永遠は現実には存在しない。無常の日々の中でずっとそばにいてくれる、隣にいてくれる人が本当に大切な存在。
でもこんな恥ずかしいこと言えないからジゼルが好きな理由は誰にも言わない。
そう、ジゼルって名前かわいい。理由はそれだけ。