これは私の一番好きな言葉で大げさに言うと信条でもある。

 

 父は昔から「お父さんの娘やっちゃから大丈夫」とよく言う。

 明日の発表会に緊張して寝むれないときや不安で泣きそうなとき、まるで成功する未来が見えているような口ぶりで言う。

 なんて根拠のない励ましなんだと笑われるかもしれない。

 だが私の心は魔法にかかったように軽くなり、「あ、なら大丈夫やわ」と思える。

 

 私は血のにじむ努力をして両親の娘枠を手に入れたわけではない。

 ただ、偶然、気づいたら生まれていただけだ。

 その単なる偶然が私にとって生きる上無くてはならない希望なのだ。

 どんなに気持ちが沈んだ時も、目の前のことが怖くて足がすくんだ時も「私にはお父さんとお母さんの血が流れている」そう思うだけで前を向いて堂々と歩いて行けるのだ。

 私以外私の人生を知らない。

 この当たり前すぎる特別感が私を鼓舞する。

 

 「血は水より濃い」。

 父と母がくれた私の人生を私にしか出せない光で輝かせたい。