試合終了の瞬間
三人目のキッカーは
ただ呆然とした表情を浮かべて立ち尽くした
そして
誰よりも真っ先に
目を充血させていた
「背番号22」は
誰よりも真っ先に「彼」の元に歩みより
20センチ近く身長差のある彼を
その胸に「ギュッ」と抱き寄せていた
駒野と中澤
今回のワールドカップで
スターティングメンバーの座を勝ち取った選手の中で
四年前のドイツ大会の悔しさを
ピッチの上で体感していたのは
彼等二人だけだった
その悔しさを胸に
四年の時を経て挑んだ
南アフリカ大会
何度も声を掛け合い
何度も互いをカバーし合い
日本のディフェンスラインを支え続けた二人
あの涙の抱擁の中
中澤は駒野にどんな言葉をかけたのだろう
駒野はどんな言葉で答えたのだろう
いや
もしかしたら
言葉なんて交わしてなかったかもしれない
僕は
20年以上前から
ワールドカップサッカーの大ファンだった
世界の一流選手
プラティニ
マラドーナ
ロベルト・バッジョ
ロマーリオ
ジダン
だちの
スーパープレーを
興奮しながら観戦していた
でも
今回のワールドカップを見て確信した
一番見たかったのは
一流選手のスーパープレーなんかじゃなく
強い気持ちをもって
日の丸をつけて
闘うサムライの姿だったんだ
駒野も中澤も
その闘う姿は
四年前とは比べ物にならないくらい
強くたくましく見えた
いや
駒野や中澤だけでなく
日本代表チームは
四年前よりも
格段に強くなったと思う
昨日のパラグアイ戦は
日本のサッカー史上に残る
素晴らしい試合だったと思う
しかし僕らは
「感動をありがとう」
なんて言葉で片付けられる闘いを見たかったわけではない
ましてや
選手や岡田監督は
僕たちを感動させたくて
闘ってくれたわけではない
四年後のワールドカップ
今よりも
「上手になった日本代表」
ではなく
今よりも
「さらに強くなった日本代表」
の姿を見たい
そして
今回越えられなかった壁を
必ず乗り越えて欲しいと思う
岡田監督、
選手のみなさん
コーチ、スタッフのみなさん
本当に、お疲れさまでした(^^)