旅人は、道々で拾い集めた母性のかけらを天空の女神へ献上しました。
それでも女神は微笑んでくれませんでした。
旅人はまた旅立つ決意をしました。
いつかあの人の笑顔を得るために。
旅人は、女神からもらった器を、道々で集めた母性のかけらで満たしました。
疲れ果てた旅人は、少し休もうと思いました。
旅人の寝息はだんだん静かになり、やがて聞こえなくなりました。
冬の夜風が旅人の骸を分解しました。
骸のくずは、母性のかけらと共に天空へ昇っていきました。
旅人の骸のくずは金色の輪になり、女神を支え照らす縁となりました。
母性のかけらは女神のえくぼとなり、女神の笑みの華となりました。