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10月14日
蛍が朽ちし土の上に、雪が降りました。生前のような淡い光を放ちながら、ようやく天へ向かいます。
蛍の向かう先とは真逆に降りる無数の雪たち。
生前は仲間からはぐれ、一人で朽ちました。
寂しい境遇を哀れに思ったかみさまは、蛍の魂を土の中でしばらく寝かせ、雪の中をさまよう時間をくれました。
蛍は自分に似た冬の妖精たちの間を、無邪気に飛び回りました。
彼らも蛍に優しく微笑みかけてくれます。
しかしその微笑みも束の間、彼らは運命に従って、白い地へ溶け込みます。
蛍は、自らの立場を改めて思い返しました。この楽しい時間をくれたかみさまの為にも、天へ行かなければならない。
朽ちてもやはり孤独かと、蛍は思いました。気持ちが塞ぐにつれ、自らの光も弱くなりました。
しかし、夜空に佇む星ぼしが、優しい光で包んでくれます。
星ぼしにはぐれた仲間の姿を見出した蛍は再び光を取り戻し、かみさまの元へ行く決意をしました。
雪たちに見送られて、蛍は昇って行きました。
その日は三日月でした。