9/22(水)リサイタルは無事終了いたしました。

東京は朝から厳しい暑さでした。
前日に眉を整えに行った銀座のシュウ・ウエムラのサロンがとても感じよく、
いきなりメイクと髪をセットしていただくことにして
11:30過ぎにホテルを出発。
銀行でCD販売用のおつり銭を両替し、妙に重たくなったかばんをごろごろ引きずりながら銀座へ。
うっかり東銀座乗り換えを東日本橋で乗り換えてしまう失敗なんかしながら、
12:30からメイクが始まりました。
20:30まではなんとか崩れず持たせて頂けるように、念入りにベースを作って頂き、
人生初、つけまつ毛までつけて別人のようなぱっちりお目めの誕生ラブラブ

髪も右肩にお花のポイントのあるワンショルダーのドレスに合わせて、
巻いた後右側だけ上げて頂きました。
やっぱりプロにやって頂くと出来が全く違う!!!

ルンルン気分でサロンを後に、14:30に楽屋入り。


調律に時間がかかって、15:30過ぎからリハーサルを始めました。
前日は1日我慢して声を出さなかったので、良い感じで声がするすると出てピアノの響きもばっちり
気持ちよくリハ終了。
いつもだとここから髪を巻いたり、メイクをしたりで飛ぶように時間が過ぎていくのですが
今日は全部済ませているので余裕!!!
リハの録音聴いたり、ご飯食べたりしてのんびり過ごしました。
17:30過ぎには師匠もお越しくださり、大いに力を頂きました。


今回歌った旧奏楽堂は東京音楽学校時代の奏楽堂を移築、再現したもので
とても趣きのある建築物なのですが、洗面所がお客様と共有なのが玉に瑕。
ぎりぎりまで着替えができないのです。
師匠に着替えを手伝っていただいたりしていたら、あっという間に開演。
あまり緊張しすぎる暇もなく気がついたら舞台に立っておりました。


イタリア古典歌曲は私の大好きな曲ばかり。私の声を一番素直に使える曲たちです。
ヘンデルはどうしてもこの奏楽堂の舞台で歌ってみたかった曲。
前半のメインはクイルター「7つのエリザベス朝抒情詩」
英語の発音からクイルター独特の旋律の歌い回しまで、工夫に工夫を重ねて
時間をかけて歌いこんできました。
本番では私の身体から自然に言葉と旋律がほとばしり出てきて、安堵しました。


休憩の時、客席から飛んできてくださった師匠が
「素晴らしいわ!何より上品で、本当に素敵!」
と開口一番言って下さり、勇気百倍。
ピアニストさんと師匠と2人がかりで次のドレスの後ろの紐を結んで頂き、
20分後に後半が始まりました。


後半はオール日本歌曲。
この舞台から私の歌い手としてのキャリアが始まった、礎になった日本歌曲。
別宮貞雄の「淡彩抄」は1曲1曲に繊細な心のひだが刻み込まれた全10曲。
今回最初は別のチクルスを考えていたのですが、やっぱりこれにして良かった。
大切なレパートリーが又一つ増えました。
最後に歌った中田先生の大切な大切な歌曲たち。
練習のときに何度も何度も涙した「おかあさん」も、
人間としてのあり方を厳しく問われている「歌をください」も、
冷静に入り込みすぎずに歌いきることが出来たと思います。
「歌をください」の後奏の間にもうすでにちょっとうるうるきていた私。
最後のピアノの1音が響きペダルの残響がなくなるまでの時間、
この空間の中の幸せな全ての空気を全身で感じていました。
次の瞬間お客さまの温かい拍手が。
もう涙腺は決壊寸前。
でもアンコールの1曲目「落葉松」はピアニストさんの素晴らしい間奏にも支えられて、
何とか歌い終えました。
2曲目にいく前に皆さまにご挨拶しようと決めていた私。
一言話し始めた途端、ついに涙が。
でも皆さまの拍手に助けられて、お礼の言葉を言うことが出来ました。
「小さな空」は少し涙声で恥ずかしかったなぁ。


来て下さったお客さまには喜んで頂けたようで、ほっとしています。


そしてこの演奏会のために120%サポートしてくださったピアニストの田中明子さん
マネジメントを引き受けてくださったヒラサ・オフィスの皆さま
当日の受付周りをお手伝いしてくださった皆さん
そして何よりいつも厳しくそして諦めずにお導き下さる私の師匠
本当にありがとうございました。


歌は私の人生そのもの、これからも地道に謙虚に精進いたします。

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長らくご無沙汰しておりました。
前回のアップの後も、地道に演奏活動続けておりました。

この度上野の旧奏楽堂でリサイタルさせて頂くことになりました。
今年の初め、久しぶりに演奏を聴くために行った奏楽堂で
日本歌曲コンクールの時大変お世話になったホールの方と久々に再会!
そこで「リサイタルやらない?」と言っていただき、後はトントン拍子に話がまとまり
この様なことと相成りました。
この夏は本当に勉強三昧、レッスン三昧の日々。
ありがたく、充実した歌の時間でした。

今回はメインにクイルターの『7つのエリザベス朝抒情詩』と
別宮貞雄『淡彩抄』を歌わせて頂きます。
クイルターは英語の歌曲で、叙情的な旋律が素敵な曲集です。
『淡彩抄』はずっと勉強したいと思っていた曲集で、1曲1曲繊細な陰影の表出が素晴らしい作品です。

奏楽堂日本歌曲コンクールで優勝させていただいてから、10年。
今まで私の演奏を支え、応援して下さった方々に感謝を込めて、
私の『今』をお聴きいただければと思います。


♪篠原美幸ソプラノリサイタル
♪日時:9/22(水)19:00~♪場所:台東区立旧東京音楽学校奏楽堂(JR上野駅公園口より徒歩)
♪入場料:\3,500-(当日券ございます)


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昨日は丹波篠山で毎年行われている
丹波の森国際音楽祭シューベルティアーデたんば
の春日街角コンサートで歌わせていただきました。

毎年兵庫県篠山市・丹波市で9月から11月まで開催されているこの音楽祭で、丹波篠山の各地で趣向をこらしたコンサートを行っています。
私も5年前から毎年色々なところに呼んでいただいて、演奏させていただいています。

この春日街角コンサートには今回で4年連続の出演。
今年は、毎年決められるこの音楽祭のシンボルアーティスト(今年のフランツさん)バリトンの篠部さんと、

この音楽祭の総合プロデューサーのテノール畑さんとソプラノの私の歌い手3人で
「笑歌(しょうか)」
と題してたっぷり日本歌曲をお楽しみいただこうという企画です。

「しょうか」とういうと私達は「唱歌(童謡)」を思い浮かべますが、その中でも特に
ちょっとくすっと笑ってしまう歌、ほほえましい歌、ただの替え歌ではない結構シニカルな歌を集めてみました。
プログラミングしている段階で、

これって結構面白いかも

って歌い手たちで盛り上がっていたのですが、こういう盛り上がりって結構内輪うけだったりしてしまうことも多く
実は私はちょっと不安だったんです。
でも本番前のリハーサルでその不安は見事に払拭。
確かに曲としてよく出来上がったものばかりだったのですが、皆さま芸達者!!!
こういう曲は歌詞がきちんと聞き取れないと面白くも何ともなくなってしまうのですが、
歌詞の細かいニュアンスまで見事に歌われて、リハを聴かれた実行委員の方々が
抱腹絶倒。
歌っている私たちも嬉しくなってますますヒートアップ。
盛り上がった気分のまま本番に突入しました。

今回私が歌った曲の中で、林望氏のエッセイ「あんこまパン」を3楽章(!!)形式の歌曲集に仕立てたその名も
「あんこまパン」
という10分を越える大曲がありました。
初めてこれを聴いたときから、絶対いつかは歌いたいと思っていたので今回絶好の機会到来だったのですが
何せ曲が決まったのが3週間前。
ネットで楽譜を取り寄せてほぼ2週間で本番にのせるというとんでもないことをやるはめに。
最初変拍子は多いは、和声はがんがん変わるはで何だこれは!!!
という感じだったのですが、何だかこの曲と相性がよかったみたいで
ピアニストと合わせているうちにどんどん楽しくなってきて
私のなかの大阪人の血が炸裂!
本番の演奏でもお客様さまにしっかり笑っていただけてひと安心。
この曲、私のレパートリーに採用決定です。

最後は3人でシューベルトのカノン(輪唱)に春日町にちなんだ歌詞を日本語でつけたものを歌って、
(これは当日に歌詞と譜面をもらって2、3回練習しただけ・・・)
めでたく終了。
会場いっぱい集まってくださったお客さまも最初からニコニコしながら、
時には涙を流しながら笑ってくださっている方もおられたりして
楽しんでいただけたようで本当によかったです。

終わった後は恒例の素晴らしい打ち上げ。
今回で4回目ですがいつも心のこもった打ち上げをご用意していただき、
これが楽しみで歌いに行かせて頂いているようなものです。
しっかり食べて楽しく飲んで、又来年の再会を約束してお開きになりました。

しかし、本当に楽しかったこのプログラム。
どこかでもう一度、いや、何回でもやれたらいいねぇって演奏者皆で思っています。