私には心強いヒーローがいる。


「りさりさりさーー!!」


「どうしたの?愛美ちゃん。」


私、緒川りさには心強いヒーローがいるんです。

それは、、、


「今日も目が合っちゃった!越谷くんに!」


興奮して教室に入ってきた北川愛美(きたがわ えみ)はホッぺを真っ赤にしながら私に言ってきた。


越谷 建(こしや たける)はこの学校で女子生徒に人気な人。


そう。私のヒーローは建くんなのです。


「愛美ちゃん、あのね今日、、、」


「分かってるよ!りさにはヒーローがいるもんね。」


「うん!ありがとうっ!

今日ね一緒にお昼食べる約束してるの。

一緒にどう??」


「え!?え!?いいの!?!?

私居て邪魔じゃない????」


「そんなことないよ〜!!一緒に食べよ?」


「食べる食べる食べるーー!」



愛美は満面の笑顔をりさに向けて自席に戻った。


「なーんかウザくない?」

「ね。カワイコぶりってほんときらーい」

「何がヒーローよねww

自意識過剰じゃね?」

「でもさあーいう女が男に媚び売ってんだよ。うざくね?」

「うわーまじかよ。マジ嫌い」

「ね!聞いた?あの女の彼氏が越谷くんだっていう噂」

「はっ!?ただの噂じゃん!」

「美晴、越谷くん好きだからそーいうのやめなって。」

「あ!ごめん!」

「別にいいわよ。私が越谷君の彼女になるんだからっ!」


私の席の後ろで嫌みたらしい会話が耳に入る。

こういうのには小学生の時からで慣れてしまった。

私は何か動作をすればすぐカワイイ子ぶりだったり、媚び売ってるだったり、わざと男子の前で演技してるだったり。

散々な言われよう。


小学生のとき、好きな男の子がいた。

その子に想いを伝えようとしたけれど、周りの女子達に好き勝手に噂をされて結局男の子にも噂が回ってしまい勘違いされて嫌われてしまった。


中学のときは、サッカー部の子が好きで毎日遠くでサッカーの練習を見ていた。

卒業式の日に告白しようも思い、呼び出したのにも関わらず、女子たちが余計なことを言ってしまい結局言えずに卒業した。


もう恋なんてしない方がいいのかもって思っていたけれど、私のヒーローのお陰で今は酷いことはされていない。

このまま言葉だけで済めばいいけれど。



そしてお昼の時。


「今日はいい日だよー!

越谷くんと朝目は会うし、そしてお昼も一緒だなんてー!!!ありがとうりさ!」


「ううん!愛美ちゃんが喜んでくれてよかった。

少し遅くなるって言ってたから先に席で座ってよ?」


「そうだね!

でも食堂の席いつも満席なんだよね〜」


「今日は大丈夫だよ。奥の方だったら空いてるから」


「あ、ほんと!?

あ!りさいつも食堂で食べてるもんね。」


「うん。

あ、ほら!空いてたよ。」


そして3人座れる席に座った。


「今日お弁当のおかずなに?」


「えっとね〜、、、「なーーーんでかなぁー?」


後ろから声が聞こえた。


「なーーーんであんたみたいな女が越谷くんの彼氏なわけ??」


その声は私の方に近づいてきた。

周りにいる人たちもこっちも向いてるのは

視線でわかる。


「そうそう。越谷くんがあんたみたいな

カワイコぶりに構うわけないじゃない。」

「どーせ媚び売ってんだろ??」

「付き合ってるならさっさと別れなさいよ!」


「ちょっと!アンタ達何言ってんの!?」


「なによ。

愛美だってウンザリしてんじゃないの?

なんでこんな女が越谷君の彼氏なんだって」


「そんなこと思うわけないじゃない!

りさは大切な友達だもの。」


「綺麗事ばっかり言ってホントは心底から嫌いなくせに!」


「嫌いになるわけないじゃない!

いいからさっさとどっかいって!」


「越谷くんと別れてくれるならもうこんなことしないわ。」

「越谷くんと別れてくれたらこの場からも去るよ。」


「何言ってんのあんたたち!!」


もうダメだ。こんな思いもうしたくない。

もう言おうかと思ったその時だった。


「いいから早く言いなさっ「なんか用かな?」


後ろから聞きなれた声が聞こえた。


「ちょっと黙っっ、、、あ!」


「こ、越谷くん!!!」


「何か用なの?」


「え、いや!あ、あの、、、」


「俺の彼女を悲しませるのやめてくれない??」


「え!?か、彼女!?

本当に越谷くんはこの女とつ、、、付き合ってるの???」


「うん。もう少しで1年経つかな?」


「で、でも越谷くん入学式のとき、、」


「なに?」


「わ、私に一目惚れしたって」


「あ〜!言ったかもね。

でもそんなの今ので消えたよ。」


「、、、え?」


「大切な彼女悲しませる女子達嫌いだから。これから彼女とその友達と一緒にお昼食べるんだけど君たちもどう?

仲良くしてくれるならいつでもwelcomeだよ」


「、、、もういい!!行こう!」


そして女子たちは食堂から出ていった。


「越谷くん!ありがとう」


愛美ちゃんがそう言った。


「今日は北川さんがいたからよかった。

りさを守ってくれてありがとう」


「え?ううん!大丈夫!

りさ?もう平気、、って泣いてるの!?」


「うっ。だ、だって、、、だって、、、」


「大丈夫だよりさには大切な友達がいるでしょ?

それに俺だっているし。」


「うん、、、ありがとう!!2人とも本当にありがとう!!」


そして何とか楽しくお昼を食べることが出来た。


私には心強いヒーローがいる。

恋人の建くん。

私はこのヒーローさんが大好きです!


                                                                     fin