みさの小劇場ウオッチ日記

公演期間 2013/04/04(木) ~ 2013/04/07(日)
会場 劇場MOMO
脚演出 村手龍太
料金 3,000円 ~ 3,500円
サイト http://dragon-gate.jp/next.html

2020年の近未来のお話。こう書くとファンタジーやバイオレンス的な舞台を想像しちゃうかもしれないけれど、そうじゃあない!笑
塚原刑事が無法化するこの時代に国民が安全に暮らせるようにと、独自の正義を掲げ、その為に多少の暴力でもって国民を制するようになる。しかし、これらの感情に加速した結果、国民を守るどころか、まるで暴力団のように暴力で国民を抑圧するようになってしまう。これに反感を覚えた同じく刑事である塚原の息子は父親と対立し逃走するも、逃げた先はエンジェルハウスというオカマショーバーだった。

物語の殆どはこのショーバーが舞台。ここでこのバーのオーナーの愛情や行動によって人間が、自分らしく生きるというテーマを表した物語だった。物語の軸はシリアスだが、ここにコメディ部分を無理に導入した結果、どっちつかずの中途半端な舞台となってしまった点が惜しい。この役者陣なら、充分、シリアスでイケル演技力だと思う。笑いの殆どをオカマネタで押し出そうとした結果、スベッテいた。また、バーの情景を物語の半分以上を費やした結果、主軸である警察官達の心の思いが希薄になり、なぜ、塚原が暴力的になってしまったかの経緯が説明不足だったのも惜しい。

リリアンこと、おっさんオカマを演じたのが村手龍太。汚いオカマは小劇場で充分、見慣れてるはずだが、稀に見る汚さ。苦笑!  一方で、キャサリンこと西村元貴が美しかった。キャラクター的にも、演技力面でも秀逸だったのが、サラリーマン今田&大西の長原翔と秋山慎冶のコンビだ。完璧、脇役なのだが、その抜群の存在感が素晴らしかった。

片桐役の杉浦雄介は無頼組合で良く観る役者だが、今回も良い演技をしていたと思う。また塚原親子(中村公隆、谷碧仁)も終盤で泣かせた。全体を通して中村がいい。
オカマショーも決して悪くはないが、シリアス路線でも充分イケル役者陣なのだ。だから、安全路線もいいがシリアスで勝負かけてもいいような気がする。笑いって難しいよね。観客の感性が違うだけに・・。