グリーンフェス参加作品。


初見の劇団でした。タイトルから戦隊ヒーローものだと想像はしていましたが、、活気に溢れ、可笑しみのある作品でした。テーマを戦隊の戦いのみで明け暮れる設定ではなく、ヒーロー達をサポートする部署に据えた着眼点にも感服しました。

舞台装置は大げさではなく簡素ながら箱を動かしたり、あるいは、シアターグリーンのパンフレットスタンドを利用したりしながらアイデアで勝負しており、それでいて、ヒーロー窓口の設定によく合っていました。

また登場するキャラクターの立ち上がりも見事で、イケメンにめっちゃ弱いシアワ戦隊メオトレンジャーや、イケメンで悪の怪人・ノロイの登場で客席を沸かしていました。ヒーローの最高齢キクヒメは戦おうとした瞬間にギックリ腰になり、その滑稽な痛々しさで多くの笑いを獲得していました。こうして、前半は勢いが漲り、絶好調でしたが、後半になって、やや勢いは下がり中だるみ的な空気感に覆われました。ですから前半より後半のほうが笑いは少なかったように感じました。前半のまま、疾走してくれた方がコミカルで楽しかったのですが・・。

歌を担当したのが、元劇団四季の俳優、柳瀬大輔さんでしたが、「美女と野獣」「ジーザス・クライスト=スーパースター」や最近では「オリビアを聴きながら」「ファンファーレ」などを思いだし懐かしく聞き入りましたが、直近の「ファンファーレ」で観客を魅了した幅のある声ではなかったのが残念でした。たぶん、カラオケの様な歌でしたので、選曲ミスだったように思います。

一方で異常に記憶に残ったのがコミカルレディ・キャサリン役のらじさんでした。めちゃくちゃな日本語英語を吐いてキャサリンキャラクターを不動のものにしていました。

終盤にかけて、ヒーロー窓口職員とヒーロー達のやりとりで終結しますが、ここらへんのパンチの弱さが気になりました。ヒーロー達の登録、申請、お悩み相談を業務にしたヒーロー窓口ですが、もうちょっと普通でないバージョンが観たかったと感じました。それでも全体的に物語は、コミカルに描写され、ヒーローにはヒーローの悩みがあり、それでも正義の為に戦わなければならない相反する想いのバランスが絶妙でした。

衣装、演出はお見事。特に演出では序盤のダンスシーンが見事な楽しいエンタメステージでした。照明、音響は抜群でした。またスタッフの接客も良く気持ち良かったのですが、自由席なのに後方の関係者席に誘導されたのは残念でした。臨場感台無し。またヒーロー相関図ですが、ごちゃごちゃしていて見辛いです。