みさの小劇場ウオッチ日記


公演期間 2013/03/20(水) ~ 2013/03/24(日)
会場 テアトルBONBON
脚演出 内藤裕子
料金 2,000円 ~ 3,500円
サイト http://g-flowers.com/

演劇集団円の演出部に所属する内藤裕子と、女優・さとうゆいが立ち上げ、第24回池袋演劇祭(2012年)大賞受賞したグリーンフラワーズの今回の舞台は、落語家一門の騒動を描いて好評を博した「かっぽれ!」の第2弾で、春の温泉旅館を舞台に繰り広げる人情滑稽芝居。


人間のダメな部分をおもしろおかしく抽出した、ちょっと笑えてちょっと胸にくる芝居で、等身大の人間の感情をじっくりと描いていた。今回のあらすじは、客と揉めて落語家・今今亭一門から失踪してしまった噺家・前座の小吉が客室係で働いていた温泉旅館に、今今亭一門が、やってくることから始まる、人情喜劇。


物語の随所に落語一家の様子や、落語の練習風景が投入されワクワクした。師匠役の山崎健二の師匠らしくトボケタさまが絶妙な演技だった。まさに落語家が乗り移ったような演技。また、今回、出演した全てのキャストの演技力が素晴らしいことと、落語と芝居の繋ぎの部分の演出があまりにも見事だった。またこの演出を助けるように計算された照明の技!更に三味線、かっぽれ踊りまでも披露して充分に芸術を堪能できた舞台だった。


とにかく構成がお見事。また観客を楽しませる技を心得ているかのような台本はひじょうに優秀だと感心した。春の温泉旅館を舞台に、繰り広げられる人情滑稽芝居は、前作を見ていない人でも楽しめる独立したストーリーだったが、これなら前作も見てみたいと思う。終盤で織り成される桜の花の舞い散る中、演じられる復讐劇は、なんとも上手い構成だった。春の温かい空気に包まれての落語家一門の大騒動は実に楽しい舞台でした。観劇後、楽しく幸せになれる舞台。


当日パンフに相関図が載っている心配りは素敵だなぁ。

照明、音響、演出、演技力、スタッフワークとも完璧。