公演 期間 2013/03/03(日) ~ 2013/03/10(日)
会場 東京芸術劇場 シアターウエスト
出演 浅野温子、長野里美、川崎亜沙美
脚本 上杉祥三
演出 野崎美子
料金 6,800円 ~ 6,800円
サイト http://ooyakenosono.com/index.html
2011年の初演で好評を博し、2年ぶりにかえってきた3人芝居!
公園のベンチで聖書を読み瞑想に励むマリア役に、先日の「阿修羅のごとく」でも強烈な存在感を見せた女優・浅野温子。缶ビール片手に執拗にマリアに絡むお気楽主婦に伝説の劇団「第三舞台」の看板女優であった長野里美! そしてエリートコースを歩みながら今は街でティッシュ配りのアルバイト中のフリーター役に、NHK連続テレビ小説「カーネーション」で糸子の次女直子役を好演されていた川崎亜沙美。シンガーでもあり現役女子プロレスラーでもあるという彼女が、女優の大先輩二人を相手にどんな攻撃を見せてくれるのかにも注目だった。
上杉祥三(夢の遊眠社・看板俳優!長野里美さんの旦那様)による戯曲。演出を手がけるのは文化庁在外研修員としてロンドンとモスクワで学ばれた野崎美子という、これまた注目株。女達の、女達による、女達のための、涙と笑いのしみじみコメディで、大いに笑えた。
都内の昼下がりの公園。マリアがベンチに座って、聖書を片手に瞑想にふけっている。そこに荒々しくやって来る女、喜美子。喜美子はしきりと、遠くで遊ぶ自分の息子に声をかけつつ、マリアに興味津々で話しかける。静寂を壊されたくないマリアと、どうしても関わりを持ちたい喜美子。気がつくと、自分の神聖な世界が、喜美子の超現実的・主婦の世界と一緒にされ、マリアはついに憤慨する。
そこへ国立大卒のインテリなのに、今は街角でティッシュ配りをしている詩音がやってくる。今度は、詩音の世を捨てたような態度が気に入らない二人。しかし、その真相が分かってくると、見栄もプライドもあった三人の女の事情がほどけてくる。隠していた過去も現在も暴きあった三人は、やがて共感し、「公園」という場所で一大イベントを立ち上げようと決意する。それは宗教法人カルト教団を立ち上げ、信者から寄付を吸い取ろうというもの。笑
一見してバカバカしくも緩いコメディだが、教祖に祭り上げられたマリアの教祖たる振る舞いが可笑しい。観客席まで降りてきて、ジュディオングの「魅せられて」ばりの衣装で観客を弄るのだ。笑
もう、華やかなんだかコミカルなんだかワケが解らなくなって舞台がショーと化していた。笑) 浅野温子が美輪明宏に見えた一瞬でした。超素敵!
追伸:意外にも、劇中で吐かれる旧約聖書の説明が解り易くて勉強にもなった舞台でした。