みさの小劇場ウオッチ日記
公演期間 2013/03/05(火) ~ 2013/03/10(日)
会場 「劇」小劇場
料金 2,000円 ~ 2,000円
全4作品をご覧になれます。
全4作品をご観劇頂いた方は、公開審査時に行われます、観客賞の投票権利がございます
サイト http://jda.jp/contest01.html


107名もの応募に及んだ第一次審査から第二次審査を経て、いよいよ4名の演出家が最終審査に挑みます。




◇鈴木アツト(東京都)
劇団印象-indian elephant-(東京都)
「青鬼」
作:鈴木アツト


意外に面白かったのがこの作品。実は再々再演だったかと思う。この劇団の特徴なのだが、数年に一回ずつ、再演を繰り返すという実にシンプルかつ興行的にも無駄のない劇団なのだ。笑)  で、ワタクシもこの劇団の「かすみそう」他、数作品を観ているから、観てない作品の方が少ないくらいだ。


物語はアラスカでの新婚旅行で、偶然食べてしまった北極ヒメイルカの料理から、妻と僕のノーボーダーな食生活が始まった。僕はこの北極ヒメイルカを食さないと生きていけない身体になってしまい、ついには巨大な水槽(いけす)で北極ヒメイルカを飼うことにした。ある日、僕は家に帰るといけすにいたはずの北極ヒメイルカが忽然と姿を消していた。イルカは一日で半魚人のような進化を遂げ足で歩き人間の言葉もしゃべるのであった。彼女の名をプーチンという。笑


そしてプーチンとの奇妙な3人の生活が始まるのであった。


世界の食が集まる都市・東京を舞台に、日本人の「飽食」を、これまでになかった斬新な笑いで斬り、スタイリッシュな空間演出、この劇団でしか見れない予測不能なストーリー展開で「食べる」という人間の普遍的テーマに挑んだ傑作。


演出家コンクールのため、役柄が割愛されているので解らないが、プーチン役のキャストのトボケタ演技力が絶妙。イルカなのだけれど、どんどん人間に進化してゆき、挙句、プーチン自身も飽食となってしまう。これに反して僕は、どんどんイルカに後退してゆき、そのうちイルカ語を話すようになる。猫宮さんの愛する者は全て食べつくすという論理のもと、結局薬局、妻がプーチンを殺してこれを食べつくすという、ホラーだけれどホラーに見えない飽食進化論!笑


いあいあ、めっさ楽しかった。次回も再演したら是非、観たい。