みさの小劇場ウオッチ日記


公演期間 2013/02/27(水) ~ 2013/03/10(日)
会場 劇場HOPE
脚演出 春謡漁介
料金 2,500円 ~ 3,500円
サイト http://4484.jp/cn36/5454.html


劇団5454って聞いたことないなぁ・・なんつって思っていたら、プロデュースユニット四方八方を劇団として、立ち上げたもので、プロデュースユニット四方八方も今までどおりユニットとして活動していくという。つまりは二足の草鞋ってやつだが、流石に春謡漁介が描く世界観は素直に素晴らしい。


そして今回のキャストは全て劇団員とのこと。演技力はもとより本のキャラクターのイメージどおりでその立ち上がり方も絶妙。


物語は高校生の藤と秋生が発行している新聞ネタから始まる。そのネタ元である彼らの教師、生徒を題材に、2人はどのように書くかを相談していたが、秋生は以前から他人が吐いた嘘を見えてしまうという特異体質があり、坂内先生の言う嘘を見抜いていた。これを新聞で暴こうとする。一方で彼らの同級生で優秀な長谷川はTorn(ト音)trusterに興味を持ち、これを研究していたが、ソルフェジオ周波数を調べるという実験をしたくなっていた。そして藤たちと長谷川は坂内先生で実験しようと目論む。


しかし、坂内先生のインタビュー中に、この共鳴音と他の音が混ざり合って坂内先生は怪我をしてしまう。これらの背景には藤のもう一つの人格である秋生が自らの意志を持ち始め、藤はもう一人の自分と会話していたというのが、明かされる。つまり藤秋生は一人だが、藤自身が他人の嘘を見えてしまうというストレスから、もう一つの人格を形成し、これに秋生と名付け、そのストレスを背負わせていた、ということだった。


案外、こういった二重人格や、多重人格者には、外圧から受ける多大なストレスに耐えきれなくなった自分を保護する為に、別の人格を形成してしまうというのはよくあるらしい。だから別の人格がやはりストレスに耐えられなくなった場合、次の人格、また次の人格・・・といった具合に次々といくつものキャラクターを生み出してしまうのだ。


今回の物語はサイコ的な要素を含め乍ら、終盤にかけて教師たちが藤に気を遣うあまり、本当の事が言えなかったという、意外にも優しみに満ちた物語だった。ここで登場する教師たちのキャラクターが面白い。前半はコメディに仕上げ、後半は藤の多重人格に触れ、結果的には藤という生徒を思いやる同級生、教師の心を前面に押し出していた。サイコサスペンス的な部分もあり、コメディな部分もありで観客を飽きさせない。すごく面白い。


時間に余裕のある方は是非。


「ソルフェジオ周波数」というのを初めて聞いたが、これは、グレゴリアン聖歌などにも使われていた古代の音階のことで、その音は、特定の周波数を発し、物質と意識に働きかける効果があるらしい。DNAの研究者の著書にも、詳細が書かれているとのこと。欧米でもヒーリングに利用され、効果は「罪悪感の解放」や「マイナス状態からの脱却」、「細胞の活性化」など。その中でも、528Hzの周波数で発せられる音は、壊れたDNAを修復するというすごい作用を持っているらしい。


ならば、イマジンを毎日、聞くかな・・。