みさの小劇場ウオッチ日記


公演期間 2013/02/13(水) ~ 2013/02/17(日)
会場 アドリブ小劇場
脚本 水島涼太、松井明、田辺あゆみ
演出 水島涼太、松井明
料金 3,000円 ~ 3,500円
サイト http://gekidanmiseinen.web.fc2.com/index.html


ワタクシはテレビを見ない。だから俳優の水島涼太さんを存じ上げなかったのだが、むしろ、白紙の状態で観に行ったほうが舞台上での演技力という点で老若男女の俳優を平等に観られるわけだ。そしてTVドラマや映画専門の役者はワンシーンの撮影を何回も撮り直せる、という点において、生もの一回勝負の舞台役者のほうがレベルは上だと個人的には思っている。


だから、何が言いたいの?って話だけれど、劇団員の演技力の格差が激しい舞台だった。エンブゼミナールの卒業公演みたいな公演で、本がベタ。エンブゼミナールの卒業公演は若い世代だけに本は意外にも斬新だが、こちらは大衆向けで高齢世代向けだ。更に、たぶんコメディなのだろうけれど、笑いのペーソスが往年のドリフのよう。世代によって好き嫌いの、はっきり分かれる舞台だと思う。


物語は高級マンションの2LDKの部屋に引っ越してきた新婚カップル。しかし妙な事に20万相当する家賃の部屋が、たったの6万円だという。それもそのはず、ここには教授とその妻・由美子、そして教授の愛人・オリビアの3人の地縛霊が住みついていたのだった。ここで新婚2人は霊界に迷い込む。そこで本当の幸せや本当の楽しみを知ることになるのだった。


バリ、命をテーマにした物語だ。終盤で教授(水島涼太)が観客に向けて「命大事にしてるか?」みたいな投げかけがあったが、これは要らない。テーマや言わんとしていることは観客が感じ取るものであって、劇中で訴える必要はないように思う。


脚本を松井明、田辺あゆみが手伝ったのだろうか?若い二人が加わってなぜ古臭い笑いしか発想出来なかったのかが惜しい。コメディをもう少し勉強して欲しいくらいだ。松井明に至っては管理人役のキャラ立てが完璧で演技力も秀逸だった。観客の満足度で次回公演が試される劇団だ。