みさの小劇場ウオッチ日記

公演 期間 2012/12/24(月) ~ 2013/01/27(日)
会場 アトリエだるま座
脚本 A・チェーホフ
演出 山本健翔
料金 1,600円 ~ 8,000円
サイト http://daruma-za.net


プローゾロフ家の三人姉妹、若くて、美しくて、才能のある三人(オーリガ、マーシャ、イリーナ)が、将軍の父の死後、田舎町の低俗な環境の中で、しだいに若さを失い、きりょうも衰え、才能もむだについえてゆく物語を軸に、働くことのなかに人生の意義のあることが強調されている。物情騒然たる二十世紀初頭のロシヤ社会の空気のなかに、作者チェーホフが身をもって感じた近づく革命を予測する言葉が登場人物の口を借りて語られる。


今回、セットがいい。今までは舞台は客席の先にあって、そこで演じられていたから、距離感を感じたが、今回は目の前で役者が演じるという、観客にとっては実に贅沢な舞台だった。一方で、こんなに至近距離で見つめられてる役者は演じ辛いかもしれないが・・苦笑!


いつも感じる事だが、労働をしたことのない上流階級の人たちが「働かなくちゃ」という言葉ほど、滑稽なものはない。ワタクシ達庶民は、働くことを夢見るのでなく、遊ぶことを夢見ているからだ。3人姉妹の3様の性格や考え方を存分に表現し、戯曲に忠実な舞台だったように思う。


一番、心に響いたのはイリーナの夫の悲劇だ。妻に愛されてない事を知った彼は、もしかしたら死にたかったのかも知れないなぁ。


キャストが秀逸な舞台だった。Bバージョン観劇。今回のチェーホフシリーズ公演企画は役者泣かせだったに違いない。次回も観たい。