みさの小劇場ウオッチ日記



公演期間 2013/01/18(金) ~ 2013/01/27(日)
会場 シアターグリーン BOX in BOX THEATER
脚演出 久保田唱
料金 3,500円 ~ 4,000円


今より三十六年前に命を落としたある女性の死について書かれた、一冊の日記帳には五人もの男女によって日々デタラメな日記が付けられていた。このミステリーを捜査員が解き明かしていくというサスペンス劇。


序盤、日記には― これは嘘の日記帳だ ここには嘘ばかりを書こうと思う ―と前置きされた日記帳だったが、その前置きが実は嘘で、日記には殺人事件を想定させるような事実が書かれてあった。過去の青酸コーラ無差別殺人事件を絡ませながら、真犯人を紐解いていく物語だったが、前半は嘘の日記に基づいた情景を映し出していく。


そして、後半では、その嘘の日記に登場するキャラクター達が、真実となったときに大幅に反転し入れ替わるのだ。普通ならここらへんでごちゃごちゃになって解らなくなる筈だが、脚本が非常によく練れていて、優れた作品だった為に、実によく理解出来た。上演時間2時間半が短く感じるほどで、謎が解き明かされていく様子も良く、また、小石原(高橋雄一)を始め、キャラクターの個性が豊かで楽しめた。


特にビコーズというユニット3人(大神拓哉、福田智行、山田健太郎、)のキャラ立ちが素晴らしく、大神には随分、笑わせられた。とにかく、この劇団は役者陣が素晴らしかった。しかしながら、ワタクシの観た回は神谷雪子(森田涼花)が良く噛んで、ガムでも噛んでる勢いだった。そこが残念。


そして終盤では警視の相川(真凛)が中原(沖野晃司)の娘というオチも見事で、見事に散らかった伏線を回収し、+αのおまけも素敵!極上でした。