みさの小劇場ウオッチ日記

公演期間 2013/01/17(木) ~ 2013/01/21(月)
会場 王子小劇場
脚演出 名嘉友美
料金 2,200円 ~ 3,000円
サイト http://syncrojesse.web.fc2.com/


初演の『めくるめくセックス』(2009年度佐藤佐吉賞 優秀作品賞)を見逃しているので、観られて良かった!タイトルどおりの、セックス三昧な舞台。笑
エイスケ(泉政宏)の妻・ミツコ(名嘉友美)はある日、突如として眠り姫のごとく眠り続け、その間、ミツコを取り巻く姉夫婦、弟と彼女、弟の彼女とエイスケの不倫などを描きながら、乾いた、けれども狂おしい人間の繋がりをテーマにした舞台だったように思う。


わりに男性ウケする物語のような気がする。舞台上(舞台外でこんなことやってちゃヤヴぁイ!)では「イクイクイクイク!」とよがり、男子も女子も、それぞれが果てるまでを演じ、オナニー談や童貞談などが続き、そこそこエロチック。役者もまた文字通り、二重の意味で体当たりな、体を張った演技だった。(笑)超ハード!ホント、役者ってすごいなぁと思う。


ハルオ(中田麦平)の彼女のマミ(墨井鯨子)はエイスケともエッチして、どうやらエイスケとの身体の相性が良いらしく、エイスケにハマル。一方でマミを密かに想っている職場の同僚で童貞のケイ(横手慎太郎)。そしてケイといつも一緒にいる俺様のジロウ(用松亮)。これらのキャラクターを織り交ぜながら、キャラクター同士が実際にキスを重ね、行為に雪崩れ込むシーンが沢山あり、そうではないシーンでもワイ談や男女の仲についての話という、タイトルテーマのはっきりした内容だった。


「一緒にいても分かり合ってる訳ではない」「体の相性が良くないと、男女が一緒にいる意味が薄れてくる」「精神的な繋がりなんて」など、いくつかの主張が投げかけられ、そうかと思うと、ダラけた男友達のキャラクターの会話がコメディで、物語を上手にライトにしていた。面白い。一番好きだったのは、タバコシーンの「もしかして歴史的瞬間に立ち会ってる?」とかいう台詞のところ。そのあたりから急にジロウの株が上がってきた。


更に夫とのプロレスの最中にミツコが花瓶の水を無造作に飲んだのも素敵。下手と上手で同時に演技をすることが多かった為、かなりキョロキョロしながら見ることになり、目が離せない。このプロレスシーンは、凄く楽しめた。この行為でミツコはエイスケの不貞を許し、心からエイスケとのセックスを楽しむのだけれど、むしろ、この殴り合いやら格闘があったからこそ次の祝祭が喜びに満ちるわけだ。


男の不倫を見つけたら、こうして殴るのもいいなぁ。ワタクシなど殴り方の加減を知らないから、もしかしたら嬲り殺しちゃうかもしれないけれど・・。ミツコとの格闘シーンでエイスケは上手に加減してたけど、ミツコが叩くときがガチで、胸筋が真っ赤になってた。体張りまくりで劇場はリングと化す。素晴らしくファイティングな舞台。面白いよ。