みさの小劇場ウオッチ日記


公演期間 2012/12/28(金) ~ 2012/12/31(月)
会場 王子小劇場
脚演出 二階堂瞳子
料金 3,200円 ~ 43,000円


バナナのファイナルステージというだけで、なんやらリングの中で闘魂逞しく戦い燃え尽きるイメージどおり、とにかく熱い。そして爆音で卒業生たちが何を言ってるのか、物語はあるのかさえも解らず、ただただ受け身体制だったワタクシ。そして疲れた。苦笑! 終盤でバレーを踊る橋本和瑚の姿が美しい。

ワタクシが座った席はスーパーリングサイドシート:SR席は主に通路側に近いエリア指定の中での指定席で、舞台前方、後方、右側、左側いずれかの通路側付近のエリアで、通路と面したお席。そしてこの席はキャストらが公演中に観客に何かと話しかけたり、お手伝いをさせられたり、目の前でパンツになって着替えたりと、イジラレタイ観客にとっては夢のようなエリアなのだ。


ワタクシは特に希望したわけではないのだが、この特等席が待っていて、通路側で良かったわ!なんてお気楽にしていたら、爆音と同時に制服姿のきゃりーぱみゅぱみゅみたいな子が来て、なんかしゃべってる。しかし爆音でまったく聞こえないワタクシは、ぱみゅぱみゅの唇の動きで何とか読もうと試みたが、なんせ、ぱみゅぱみゅは口の動きも早い。そういえば最近の子はみんな早口だよなー。なんて気持ちがそっちの方向に行ってしまったワタクシに、これまた必死で話してるぱみゅぱみゅ。


ワタクシはこんなでも結構自分に自信があって、大抵の事は為せば成ると思ってきた。ところが、このぱみゅぱみゅだけは、わかんねー。わかんねーから、うっかり頷けないし、頷いて何かとんでもない恐ろしいことをやらされても敵わないのである。で、だまってじーっと観ていたら敵も一生懸命に話し、何かを説明し、手に持っていた食器プレートを椅子の下に置いたのである。


事の成り行きはつまり、この食器を舞台で使う説明をして椅子の下に置いてもらうという事らしかった。ワタクシの前に座っていたおっさんはバナナ女子高生に耳打ちされながら頷いていたり、膝の上に座られたり、、横で着替えたりと、やたらと美味しい思いをしていた。キャバクラみたいなもんだな・・(´-ノo-`)ボソッ...


もし、ワタクシも同じように耳打ちされて、ついでに耳たぶなんかを噛んでくれたならチップを渡したのに。そんでもって舞台上ではスクール水着姿の高校生ら。サービス満点なのである。


演目:
参加者全員による国歌大斉唱
卒業証書授与(参加者全員名前入り)
卒業生による答辞
二階堂瞳子 on stage


終盤になって気が付いたことはワタクシ達は観客ではなく在校生らしかった。だから二階堂に対して賛辞の言葉やちょっと宗教的な錯覚も起こさせるような瞳子コールを卒業生全員で在校生を誘導し、在校生らはそれに従って素直に繰り返していた。


それは自分たちのフィクションの世界をつくって実際の世界を上から塗りつぶしているかのように思えた。瞳子文化は観客たちの共同の幻想であった。そこには漠然とした統一や喧嘩上等の思想があったが、なんのために戦うのか、走るのか、中心部分は空洞であった。そしてだからこそ、観客は燃えたのだ。なにもなかったからこその熱狂であった。


たぶん、バナナ学園は形を変えて蘇る。それを観客たちも期待して待っているようすだった。何度でも這い上がるエネルギー。理由はどうあれ、作り手には、そういうエネルギーを常に感じる。だからワタクシ達も負けてはいられない。何度でも起き上って立ち向かってやればいい。