J.アーチャーは頭を使っても使わなくても読めるのでけっこう楽しい。

チャウシェスク政権を生き延びてあくどい銀行家になった男、その男の依頼による殺人稼業をこなす女、FBI捜査官の男、直観像の能力を持つ美術コンサルタントの女、イギリス貴族の女×2、などなど。

あんまり海外ミステリを読まないので常套手段かもしれないが、細切れに視点が変わっていく手法に翻弄されるような親切に伏線を拾わせてくれているようなどっちともとれる書き方。

数々のトラップが仕掛けられていて、各々が明らかになったときにはらはらしたりすかっとしたりでどんどんページを捲ってしまう。

世間知らず故に悪どい新興銀行家にだまされた女とその双子の妹、その銀行家の企みに気づいた美術コンサルタント、コンサルタントの親友であり銀行家に私怨のある秘書、コンサルタントが銀行家の共犯かどうか確信の持てないFBI捜査官・・・。たくさんいる登場人物みんながとても人間的で魅力的。なかむらたかしはちょっと名前として日本人的すぎる気もするけど笑。あとなんでブカレストで英語通じるか確認してたのに成田のタクシー運転手とナチュラルに英語通じてるんだよ、という疑問。日本の方がよっぽど通じないのでは?

日本人としては突っ込みどころはあったものの、ラストもすっきり後味よく、とてもよいエンターテイメントでした。