「初めての彼氏」と別れたことで
モヤモヤした気持ちから解放され
清々しい気持ちだった。


とはいえ、あちら側は
何故3日でフラれた?!と
不満だらけだったようだ。



3年の先輩達が私のことを
彼を振りまわす悪女の如く
噂しているのを耳にした。


しかし体育祭や文化祭といった
イベント盛り沢山だった秋は
高校生には恋多い季節でもあるため
私のそんな噂なんて一瞬だけだった。








秋には体育系の部活は
地区大会が始まる。



私はバスケ部だった。

バスケ部は男女一緒に練習し
試合も大きな体育館でコートを分けて
試合をしていた。


そのため、男子の試合も
空き時間には観戦できた。




秋の大会は3年生にとって
最後の大会である。

そして私達1年生はよほどでない限り
レギュラーではないため観戦のみだ。



先輩達の応援隊でもある私達は
男女どちらの試合も応援した。




男子バスケの方は準決勝まで
コマを進めた。

その時の対戦チームはT高校で
ある1人の2年生がチームの中心で
動いていた。


背中には「FUJIMORI」と書かれていた。



先輩達を応援しながら
私はその相手チームのフジモリさんから
目が離せなくなっていた。



冷静にプレーしながらも
時折チームを奮い立たせる姿に
私はどんどん惹かれた。




試合は先輩達が負けた。




しかし今後の参考にと
決勝も見届ける為
私はとてもウキウキした。


またフジモリさんが観れるからだ。




試合結果はフジモリさんのいる
T高校の敗退。


涙を流して先輩達にお礼をいう
フジモリさんの姿には
私も心を締め付けられた。




フジモリさん…
かっこよかったな…


私はフジモリさんがいかにかっよかったか
しばらくその話題で持ちきりだった。





ある日、同じバスケ部の友人が
「いい事教えてあげる!
T校のフジモリさんがね!いたの!
夜の社会人バスケに来てたの!
私のお父さんが所属してるから
観に行ったらフジモリさんいたの!
今度連れていってあげようか?!」



私は興奮して大喜びだった。


縁もゆかりもない他校の
フジモリさんは所詮憧れで
それ以上は望んでも縁がないと思っていた。


私は友人にとても感謝して
さっそく週末連れて行ってもらった。



体育館について私の心拍はすぐに上がった。

目の前には練習する
憧れのフジモリさんの姿があった。



どうやら友人のお父さんが所属する
社会人バスケのチームメイトの息子で
たまに一緒に練習しに顔を出すらしい。




友人のお父さんがフジモリさんを呼びつけ
私達を紹介してくれた。


「よろしくね!」
と言って笑顔を向けられ
私は緊張して「はい!」としか
答えられなかったことに後悔した…




練習後、ミニ対戦をしていて
私は観戦しながらフジモリさんの姿を
目に焼き付けていた。



その日の社会人バスケは終わり
みんな解散していく中
友人が気を利かせてくれて
フジモリさんを呼び止めてくれた。



私は少し震えながらも思い切って
「あの…良ければラインを…」
と切り出した。


「えっ!?あぁ!いいよ!」


そう言って快諾してくれた時は
断られたら…と言う可能性があった分
心底ホッとした。



そしてその夜は早速
「お疲れ様でした」
とラインした。



そしてダラダラとラインが
翌日まで続いた…





週明けの学校では
私はその時の話しで持ちきりだった。




もう元カレと校内ですれ違っても
気付かないくらいに
私の頭はフジモリさんでいっぱいだった。